構成上の利点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/08 03:38 UTC 版)
「論理ボリュームマネージャ」の記事における「構成上の利点」の解説
論理ボリュームマネージャ以前、UNIXのファイルシステムがその上に構築される「ボリューム」は、単なるディスク上の連続したブロックでしかなく、単純にディスク全体、あるいはPC-UNIXではMBR内のパーティション情報、大型機メーカ系のシステムではVTOCの情報によるディスク上の固定の範囲といったもので、柔軟な管理が難しいものであった。論理ボリュームマネージャは、ディスク(「物理ボリューム」)を一旦「ストレージプール」に束ね、そこから「論理ボリューム」と呼ぶ仮想化・抽象化された記録領域を構成し提供する、といったような手法で、柔軟かつ便利に管理(マネージ)するシステムである。 LVMはそのような論理ボリュームマネージャの仕様及び実装の一つであり、以下LVMについて述べる。 LVM構成上の管理階層構造を説明する。物理ディスク(PV:Phisical Volumeと呼ぶ)とその複数の物理ディスクを管理するボリュームグループ (VG:Volume Group) があり、物理ディスクを繋ぎ合わせて大きな論理ドライブとして管理出来る。そのVG上に論理的に設定される仮想パーティションが論理ボリューム (LV:Logical Volume) と呼ばれる。 物理ディスク(/dev/sdaなど)と比較した場合、物理ディスクはLVMでいうところのボリュームグループに相当し、パーティションは論理ボリュームに相当する。LVMの管理下では物理ディスクはボリュームグループにブロックを提供する「メディア」としてしかみなされず、それ単体で扱うことは考えない。 LVの上にファイルシステムを構築する形となり、ファイルシステムから見るとLVがディスクパーティションのように見える。 基本的に以下の点が構成上の主な利点である。 複数PVによるボリュームグループ上に、1つのPVを超えるような論理ボリューム (LV) を作成し、扱う事が可能となる。 論理ボリューム (LV) の動的拡張・縮小が可能となる。当然のことながら、LVの上に構築されるファイルシステムが動的拡張・縮小をサポートしていない場合、ファイルシステムの拡張・縮小や再構成のためにシステム停止が必要となる(システムを停止しないとアンマウントできない場合)。 物理ボリュームの追加による論理ボリュームの拡張性の維持が可能。但し、ハードウェアの構成やオペレーティングシステム (OS) の対応によっては、物理ボリュームの追加時にシステム停止が必要となる。 ソフトウェアミラーやソフトウェアによるストライピングが可能。
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