桂米之助_(3代目)とは? わかりやすく解説

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桂米之助 (3代目)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/01 04:18 UTC 版)

三代目 かつら 米之助 よねのすけ

「戎松日曜会」。後列右から六代目松鶴(当時は三代目光鶴あるいは四代目枝鶴)米之助五代目文枝(当時あやめ)旭堂南陵(当時二代目小南陵)。子供は和多田勝(当時小つる)
本名 矢倉 やくら 悦夫 えつお
生年月日 1928年11月8日
没年月日 (1999-03-05) 1999年3月5日(70歳没)
出身地 日本大阪府
死没地 日本大阪府
師匠 四代目桂米團治
名跡 1.三代目桂米之助
出囃子 おそづけ
活動期間 1947年 - 1999年
活動内容 上方落語
受賞歴
日本芸能実演家団体協議会(芸団協)芸能功労者表彰
第12回 上方お笑い大賞 功労賞
上方芸能文化顕彰
備考
上方落語協会会員(1957年 - 1999年)

三代目 桂 米之助(かつら よねのすけ、1928年11月8日 - 1999年3月5日)は、上方噺家大阪府大阪市出身。本名は矢倉 悦夫出囃子は「おそづけ」。

来歴

結び柏は、桂米團治一門の定紋である。

大阪市東成区今里の生まれ。映画館主であった父の影響を受け少年時代より映画落語のポスターや資料収集に凝り、これらを送った事が縁で作家正岡容の知遇を得、正岡門下の中川清(のちの3代目桂米朝)とも知り合う。

なお、正岡に送った映画ポスターやビラのコレクションは質量とも素晴らしいもので、感激した正岡は、榎本健一古川ロッパに寄贈したが、三人で矢倉少年の実家の職業を詮索し、ロッパの「多分印刷屋の倅だろう。」の一言で、印刷屋の息子と思われていた[1]

戦時中(1943年8月)に大阪市交通局(当時電気局)に入局。市電天王寺車庫で長谷川多持(のち5代目桂文枝)と出会う。文枝に落語の世界に進めたのも米之助である。

1947年7月、かねてから懇意にしていた4代目桂米團治に入門、師の前名「米之助」の名をもらう。それを知った中川もほどなく米團治に弟子入りし、長谷川も4代目桂文枝に入門する。しかし米之助自身は母親の反対にあい、落語家を本職とすることは叶わず、大阪市交通局には定年まで勤め上げていた。

とはいえ、落語界とのつき合いその後も続き、折あるごとに高座に上がるだけでなく、1972年8月からは自宅のある東大阪市菱屋地区の集会所にて「岩田寄席」を主宰し、各師匠の推薦で参加した3代目桂べかこ(現在の3代目桂南光)・笑福亭松葉7代目笑福亭松鶴を追贈)・桂春若桂米輔桂米太郎(この5人は入門がいずれも1970年(昭和45年)だったことから「花の四十五年組」と呼ばれた)ら若手の育成にあたった[2]。プログラムに毎回執筆したコラムでは「晩雅郎」という筆名を使った[3]。「岩田寄席」は第1回からちょうど20年が経過した1992年8月をもって終了した[2]

1998年11月ワッハ上方にて古希記念独演会を開催[4]。その4か月後に亡くなった。

落語に対する知識は博識で、桂米朝が「わしはわからんさかい、悦ちゃんに聞け」ということもあった[5]。また、著書もある。

プロの噺家にならなかった点について、6代目笑福亭松鶴は1977年の香川登志緒との対談で「自分を知っとる。噺がヘタです。そら聞いたらお客さんおこりますわ。商売にならなかったんです。」とコメントしている[6]

CD-ROM『古今東西噺家紳士録』には、NHKで演じた『花筏』が収録されている。

受賞

著書

脚注

  1. ^ 戸田、2014年、p.46
  2. ^ a b 戸田、2013年、pp.143 - 144
  3. ^ 戸田、2013年、p.145
  4. ^ 田中敦子「桂米之助さんの古稀をお祝いする独演会」『月間お好み書き』1998年12月号
  5. ^ 小佐田、2015年、p.66
  6. ^ 「大阪の落語と噺家」戸田(編)2004年、p.51(初出は香川の著書『大阪の笑芸人』晶文社、1977年)なお、松鶴はこのコメントの前に米之助の落語に関する活動自体は「陰にまわって色々やってくれてる」と評価している。

出典

関連項目




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