核輸送
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核輸送(かくゆそう、英: nuclear transport)は、細胞質と細胞核の間の物質輸送である。低分子は調節を受けることなく核へ自由に出入りすることができるが[1]、RNAやタンパク質のような巨大分子の輸送は核膜孔複合体によって緊密に制御されており、カリオフェリンのような輸送因子との結合が必要である。核内への輸送に用いられるカリオフェリンはインポーチン、核外への輸送に用いられるものはエクスポーチンと呼ばれる[2][3]。
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- 1 核輸送とは
- 2 核輸送の概要
- 3 タンパク質シャトリング
核外輸送
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/25 03:51 UTC 版)
リボソームのサブユニットやmRNAなどの一部の分子や高分子複合体は、核から細胞質へ輸送される必要がある。核外輸送は核内輸送と似たメカニズムで行われる。 典型的な核外輸送スキームでは、核外搬出シグナル (nuclear export signal/sequence, NES) を持つタンパク質は、核内でエクスポーチン (CRM1(英語版)など)、Ran-GTPとヘテロ三量体複合体を形成する。その後複合体は細胞質へ拡散し、GTPが加水分解されてNESタンパク質が遊離する。CRM1-RanGDPは拡散によって核内へ戻り、そこでRanGEFによってGDPがGTPへ交換される。この過程も1分子のGTPを消費するためエネルギー依存的である。エクスポーチンCRM1による核外輸送は、レプトマイシン(英語版)Bによって阻害される。
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核外輸送
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/04 18:12 UTC 版)
核外輸送は大まかに言えば核内輸送の逆の過程である。核内でエクスポーチンは積み荷タンパク質とRan-GTPと結合し、核膜孔を通って細胞質へ拡散し、細胞質で複合体は解離する。Ran-GTPはGAPと結合してGTPを加水分解し、Ran-GDP複合体は核へ送り返されてGDPはGTPへ置き換えられる。したがって、インポーチンは積み荷の解離をRan-GTPに依存し、エクスポーチンは積み荷の結合のためにRan-GTPを必要とする。 転写後修飾が完了した後の成熟mRNAの細胞質への輸送は特別なmRNA核外輸送タンパク質によって行われる。この過程の活性はRanに依存するが、その機構はあまり解明されていない。特に転写が多く行われる一部の遺伝子は核膜孔の物理的近傍に位置しており、転移過程が促進されている。 tRNAの核外輸送もtRNAが受けるさまざまな修飾に依存しており、それによって適切に機能しないtRNAの核外輸送が防がれている。tRNAは新生ペプチド鎖へのアミノ酸の付加という翻訳における中心的役割を果たすため、この品質管理機構は重要である。脊椎動物におけるtRNAの核外輸送因子はエクスポーチン-t(英語版)と呼ばれている。エクスポーチン-tは核内でtRNAに直接結合し、この過程はRan-GTPの存在下で促進される。tRNAの構造に影響を与える変異によってエクスポーチン-tへの結合は阻害され、従ってこの段階も細胞にとって別の品質管理段階となっている。上述したものと同様に、いったん複合体が核膜を越えると、tRNAの積み荷は解離し細胞質へ放出される。
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