核外搬出シグナル
核外搬出シグナル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/03 00:57 UTC 版)
核外搬出シグナル (かくがいはんしゅつしぐなる、英: Nuclear export signal、NES)とは、核輸送により核膜孔複合体を通じて細胞核から細胞質へ搬出されるタンパク質における4つの疎水残基の短いアミノ酸配列である。これは細胞質にあるタンパク質を核へ移行する核局在化シグナル (en)とは反対の働きをもつ。NESはエクスポーチン (en)に識別され、結合する。in silicoにおける既知のNESの解析で、もっとも一般的な疎水残基領域の配列はLxxxLxxLxLとなっていることが分かった。ここで"L"とは疎水残基 (通常はロイシン)であり、"x"とは他のアミノ酸のことである。これらの疎水残基の配列は、NESの外側に面した既知の構造からの考察により説明できる。ある残基が常にタンパク質内の同じ二次構造に面しているのである。このことがエクスポーチンとの相互作用を実現している[1] 。リボ核酸 (RNA)はヌクレオチドにより構成されている。それゆえ、RNAを核外へ移行するには核外搬出シグナルだけでは足りない。結果、RNAは核外へ移行するため、タンパク質分子と結合してリボ核タンパク質複合体となる。
- ^ la Cour T, Kiemer L, Mølgaard A, Gupta R, Skriver K, Brunak S (June 2004). “Analysis and prediction of leucine-rich nuclear export signals”. Protein Eng. Des. Sel. 17 (6): 527–36. doi:10.1093/protein/gzh062. PMID 15314210.
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