株価の変動の要因
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/18 05:46 UTC 版)
株価を動かすような要因を材料といい、直接的に株価に影響を及ぼす内部要因と間接的に株価に影響を及ぼす外部要因がある。 株価変動の内部要因は、株式数の増加や減少などによって株式の需給に直接的に影響するものであり、代表例として、増資、株式の分割、株式の消却、株式の持ち合いの解消、などがある。 株式の分割は理論上は発行した株式が増加するとともに分割比率に比例して1株当たりの価値は低下するのであるが、個人投資家が株式を買いやすくなるため2000年代前半には株式の分割の発表後に株価が急騰するケースがみられた。 自社株買い(さらに株式の消却)は市場に流通する株式数が減少するため1株当たりの利益は上昇するが、余剰金を取り崩して購入に当てるため理論上は株価に中立といわれている。しかし、株式の需要と供給の関係をみれば株価は上昇しやすくなると考えられることから自社株買いを行う企業も少なくない。しかし、2000年代の世界的な金融危機の後、事業資金を多く確保しておきたいという会社が増えており自社株買いに慎重な状況もみられる。 一方、株価変動の外部要因は株価の形成に間接的に影響を及ぼしているものであり、会社の内部からもたらされる要因(企業業績の状態、新製品の開発・発表・発売、企業の合併や買収、リストラ、企業の不祥事など)と会社の外部からもたらされる要因(株価指数、金利や為替・物価などの変動、国外での戦争・政変、自然災害の発生など)がある。 株価の形成には様々な要因が絡まっており、そのメカニズムは極めて複雑である。株価決定の最大の要因は企業業績で、好調な企業の株価は上がり、不調な企業の株価は下がるとされているが、実際の相場では、好調な業績が発表されても投資家がこれ以上の成長は期待できない(好材料が出つくした)と判断すれば、売りが優勢となり株価は下落する。反対に業績の悪化が発表されても投資家がこれ以上の業績の低下はない(悪材料が出つくした)と判断すれば、買いが優勢となり株価は上昇する。このように将来の企業業績などを織り込みながら株価が将来を先取りして変動することを株価の先見性という。 金融市場のグローバル化やIT化により世界中の株式市場が連鎖的に反応することも多くなっている。
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