東海道線富士駅冒進阻害事故
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 15:00 UTC 版)
「日本の鉄道事故 (2000年以降)」の記事における「東海道線富士駅冒進阻害事故」の解説
2001年(平成13年)4月18日(信号違反、線路障害) 東海旅客鉄道(JR東海)東海道本線富士駅で下り貨物列車が出発信号機の停止現示を見落として進行し、東海型過走防止装置により停止したが、同駅始発電車列車に向けられた出発信号機の進行現示を自列車のものと勘違いし、ポイントの開通方向が違うのに気付かずATS停止を無断解除して出発した。駅側がそれに気づき始発電車の防護無線を発報したが間に合わず非開通のポイントを割り込んで破損した。 当日は貨物列車が約10分遅れだったことから富士駅始発列車を先行させることとし、貨物列車が到着する番線の出発信号機に「停止」を現示したがこの停止信号を見落として進行したため場内信号による注意現示速度以下の速度で出発信号80m外方の過走防止速度照査が動作して非常制動が働き、75m冒進して停止した。 運転士は4つのエラーを冒したが、特に指令の許可を得ずにATSを解除して出発したことで衝突が危惧される事態となり、JR東海は日本貨物鉄道(JR貨物)に再発防止を求めた。 背景として、ATS-Sxが冒進前提の防御で、停止後は運転士に停止理由が見えないことで遅れ回復の気持ちに押され見落とし思い違いのままの行動が続いてしまったことが挙げられる。運転士が場内信号も見落としていたら注意現示以下に対応する東海型過走防止装置の防御対象外で宿毛事故のような高速冒進となる危険があることを示した。
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