東北地方太平洋沖地震における河川津波
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/29 18:49 UTC 版)
「河川津波」の記事における「東北地方太平洋沖地震における河川津波」の解説
このような河川津波は、2011年に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)による津波でも見られ、岩手県や宮城県などでは河川津波が堤防を越えるなどし、被害の拡大に繋がった。場所によっては、河口から約50kmの場所でも津波の遡上が確認されたという。例えば、東日本大震災で津波が最も海から遠くまで遡上した北上川では、河口から49km上流まで津波が押し寄せ、被害は河口から12km付近まで及んだ。流域の地区は、川と海からの津波により、600人以上の犠牲者が出た。この時、海から河口に流れ込んだ津波の量は毎秒約13万立方メートル(北上川の平均量の約600倍)であり、津波が陸上の1.5倍の速度で遡上し、場所によっては時速40kmに達したという。国土交通省河川津波対策検討会では、東日本大震災での河川津波を踏まえ、河川堤防や津波水門等により津波による災害を防ぐことや、津波防災まちづくりと一体となり減災を目指すことなどの必要性を提言している。 河川津波においては、河川の周囲が都市部である場合、頑丈な建物が立ち並ぶなどの都市の構造などにより、被害が拡大しやすいことがわかっている。2003年の十勝沖地震や、2016年の福島県沖地震などにおいても、津波が河川を遡上する様子が撮影されている。今後発生が懸念される南海トラフ巨大地震などにおいても、大規模な河川津波が発生する恐れがあるという。
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