最初の試験設備
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 09:16 UTC 版)
「ソーラー・アップドラフト・タワー」の記事における「最初の試験設備」の解説
1982年、スペインマドリード南方150キロメートルのシウダ・レアル県マンサナーレス(39°02′34.45″N 3°15′12.21″W)に初のソーラー・アップドラフト・タワー発電の実験施設が建設され、約8年間にわたって稼働した。この実験施設はドイツ連邦共和国政府の資金提供を受け ドイツのイェルク・シュライヒ教授の指導で建築された。 この施設の仕様は、煙突の直径10m、高さ195m、コレクター面積は46,000m2で発電能力は最大電力出力時約50 kWであった。コレクターの窓材料は試験のため単層ガラスまたは複層ガラスまたはプラスチック(耐久性が十分でないことが知られている)などの異なる材料が用いられた。また天蓋がガラス製の部分の一部は実際に温室 として植物を育てるのに使われた。施設の稼働中180個のセンサーで内側と外側の温度、湿度、風速が一秒毎に測定された 。この実験の結果、透明プラスチックは耐性が不十分であることが分かった。尚稼働時に発電した電力の外部への販売はおこなわれなかった。この煙突の支え綱線は錆防止処理がされていなかったため、腐食が進み1989年に嵐のため煙突が倒壊し実験施設は閉鎖された。 マンサナーレス試験設備項目値単位煙突高さ194.6 m 煙突半径5.08 m コレクター平均半径122.0 m プラスチック幕天蓋面積40,000 m2 ガラス天蓋面積6,000 m2 平均天蓋高1.85 m コレクター内外温度差ΔT = 20 K タービンのブレード数4 タービンブレイド形状FX W-151-A 羽先端速度 対 風速比1 : 10 公称出力50 kW 運転モード独立またはグリッドへの接続
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