最初の推薦と審議結果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/17 03:29 UTC 版)
「ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献-」の記事における「最初の推薦と審議結果」の解説
2008年にフランス政府からUNESCO世界遺産センターへ推薦書が提出された。同年秋にはICOMOSの委員が各国の資産を視察したが、それを踏まえた検討の結果、「顕著な普遍的価値」の証明が不十分と判断され、翌年5月に「登録延期」が勧告された。ル・コルビュジエ財団の関係者は、この勧告の直後にも自信を見せ、個別に見た場合に世界遺産にふさわしくないものがあろうとも、連続性をもって推薦したことによって、世界遺産委員会の本審議においては、全体としてその価値が認められるはずという見通しを示していた。 その年の第33回世界遺産委員会(セビーリャ)では、ル・コルビュジエの作品を世界遺産に登録すること自体には異論が出なかったものの、シリアル・ノミネーションとして国境どころか大陸をも越える事例は珍しく、その「連続性」をどう捉え、構成資産の総体にどのような「顕著な普遍的価値」を認めるかという点で議論になった。2009年の推薦は、実質的にル・コルビュジエの建築家としての人生を軸に「連続性」を構成していたが、世界遺産がそのような特定の芸術家の人生を顕彰する場としてふさわしいかどうかが問題となったのである。 そして委員国の投票に持ち込まれた結果、見送りが決まり、最終的にICOMOSの勧告よりも一段階上の「情報照会」と決議された。決議文では「顕著な普遍的価値」の証明をさらに充実させることや、関係国の共同管理体制を拡充させることが望ましい旨が盛り込まれた。
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