書き換え回数の制限
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 16:41 UTC 版)
「NAND型フラッシュメモリ」の記事における「書き換え回数の制限」の解説
浮遊ゲートへ電子の注入と引き抜きを何度も繰り返すと、トンネル酸化膜 (Tunnel Oxide) と呼ばれる絶縁層である酸化膜を電子が通過するために、格子欠陥と呼ばれる、電子が通過しやすい箇所が増大していき、この層が劣化してゆく。やがて格子欠陥が層を貫通し電子が通過してしまい、正常に情報の記録が行えないセルが生じ、このセルを含むブロックは不良ブロックとなる。この時の誤りは後述の誤り訂正の仕組みでかなりの程度までは訂正される。この一度生じた不良ブロックは回復することなく、この不良ブロックを使用しないように管理をする必要がある。 一般的なデータ書き込みおよび消去後、不良ブロックの検知処理を行い、不良ブロックを管理するロジックが組み込まれている。不良ブロックと検知されたブロックは冗長バイト内に不良ブロックを示すフラグ情報が書き込まれる。 書き換え頻度の上限回数は各社の企業秘密であり、公表はされていないが、SLCで10万回程度、MLCで1万回程度の消去・書き込みが上限ではないかと言われている[要出典]。 メモリセルに対する読み書きによってゲート酸化膜の劣化が進行すると、電荷の蓄積量が当初の設計値とずれてしまい、"0"と"1"の差異が判別できなくなることで寿命となるが、読み書きが全く行われないブロックでも近隣セルの動作に伴って電圧が加わるため、「読み出しディスターブ」 (Read Disturb) と呼ばれる劣化が進行する。
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