書き換え可能なコントロールストア
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/03 09:39 UTC 版)
「マイクロプログラム方式」の記事における「書き換え可能なコントロールストア」の解説
書き換え可能なマイクロコードを使っているコンピュータもある。つまり、マイクロコードをROMに格納しているのではなく、WCS (Writable Control Store) と呼ばれるRAMに格納している。そのようなコンピュータをWISC (Writable Instruction Set Computer) と呼ぶこともある。多くの場合、それらのマシンは実験用プロトタイプであったが、商用マシンでも書き換え可能なマイクロコードを採用したものがあった。初期のXeroxワークステーションやDECのVAX 8800(ノーチラス)ファミリ、シンボリックスのLISPマシンの一部、IBMのSystem/360とSystem/370のいくつかの機種、DEC PDP-10 の一部機種、データゼネラルの Eclipse MV/8000 などである。オプションとして書き換え可能なコントロールストアを用意していたマシンはさらに多い(たとえばHP HP 2100(英語版) や DEC PDP-11/60 ミニコンピュータ)。IBM System/370 ではそのためのファシリティとして IML (Initial-Microprogram Load, IMPL) を用意し、電源投入時にコンソールから起動したり、密結合マルチプロセッサシステムでもう一方のシステムから起動したりできた。 IBM 360/85 などの商用マシンでは、リードオンリーと書き換え可能の両方のコントロールストアを備えていた。 WCSの利点はマイクロプログラムに対するパッチを可能にするだけでなく、ある年代のハードウェアにとってはROMよりも高速なアクセスができるという利点もあった。ユーザがプログラム可能なWCSは、特定用途向けにマシンを最適化することができる。 インテルのx86アーキテクチャのCPUでもWCSを使っているものがある。これにより Intel Core 2 や Intel Xeon のマイクロコードのバグ修正をソフトウェアのみで実施できた。
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