曳航開始
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/13 16:40 UTC 版)
「オハイオ (タンカー)」の記事における「曳航開始」の解説
ペンのスウェイン艦長はメーソン船長に対し、10インチマニラ麻ロープでの曳航を提案した。曳索が取り付けられた後でペンが徐々に前進を始めたが、オハイオの船体は左舷の破孔のせいで左に振られてしまった。2隻は全く進まず、それどころか東寄りの風によってマルタ島と反対の方向へ流される有様であった。また新たな攻撃が始まったためにペンは対空砲火を放ちながら左舷に旋回し、曳索は切断してしまった。オハイオを狙った1機の爆撃機がオハイオのエリコン機銃で撃墜されたが、その直前に投下された爆弾が雷撃により開いていた穴に直撃した。これにより船体の破孔はさらに大きくなり、亀裂が船底にまで達したため、船体が折れる危険から午後2時に再度オハイオは放棄された。オハイオの乗組員はペンに移乗した。 翌日、オハイオ救援のために派遣されたモーターランチ(英語版)ML 121およびML 168、そしてマルタ掃海艇隊の掃海艇ライ(英語版)(HMS Rye, J76)(艇長:J・A・ピアソン大尉)が2隻に加わった。再度曳航が試みられ、オハイオを曳航するペンを、ライがペンの艦体に接続した掃海索で針路を補正する工夫によって5から6ノットで曳航に成功した。 8月14日午前6時30分頃から新たな空襲が始まった。船尾に落ちた至近弾で舵は使用不能になり、曳索は再び切断してしまった。さらに爆弾1発が命中し、ボートデッキ前端を貫通してボイラーや機関室を破壊した。幸い、ワイルド機関長以下機関員は直前に甲板上へ脱出できたため難を逃れた。船体中央部の破孔は拡大し、船体が船底まで屈曲し始めていた。更に2度の空襲が行われ、至近弾が発生した。メーソン船長は3度目の総員退船を命じ、乗組員はモーターランチでオハイオから退去した。オハイオは機関室と船尾部の浸水によって後半部が垂れ下がり、前半部の浮力で何とか浮かんでいる状況であった。
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