曳航中の事故
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/27 14:16 UTC 版)
「スカンジナビア (客船)」の記事における「曳航中の事故」の解説
ランティー社との売買交渉が不成立となったあと、ペトロ・ファースト社(スウェーデン)へ売却が決まった。2006年8月31日、伊豆箱根鉄道社長や沼津市長らが参加して出航式が行われ、曳航される形で沼津を出航した。この後、9月7日上海に寄港し改修ののち、スウェーデンで再びホテル兼レストランとして営業する予定だったが、曳航中の9月1日21時頃に船体が左傾しはじめ、同23時30分頃に状態確認のため串本町潮岬西側の入江に退避した。しかし傾斜はおさまらず徐々に浸水し、船体が沈み始めた。2日午前1時30分頃に再び沖合に向かったが、傾斜および浸水の状況が改善することなく同午前2時頃、和歌山県潮岬沖約3kmの海底72mに沈没した。船内には木製のレリーフや美しいガラス彫刻などの美術品も残っていたが、それらも船と運命を共にしてしまった。西武鉄道グループの事業再編に端を発したスカンジナビア売却は、第二の活躍の地であった日本に36年係留された後、再び建造国のスウェーデンへ戻ることなく太平洋の海底で79年の船史を終えることとなった。 沈没の原因は老朽化によるものであった。
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