曳航式アレイの雑音
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/12 18:10 UTC 版)
曳航式アレイは、ハイドロフォン表面の境界層の圧力変化による単純なフローノイズのほか、アレイや曳航ケーブル自体に起因する種々の自己雑音の影響を受ける。特に曳航に伴う振動に起因する、ハイドロフォンアレイに対する加速度応答、アレイの上下運動による水圧の変動、フレキシブルホース内の油の圧力変化、振動している曳航ケーブルから発生する過流などが問題となる。 日本の86式えい航式パッシブソーナーOQR-1の際には、受波器振動の大小が発生電流の強弱、すなわちノイズの大小に直結することから、技術研究本部では受波器の感度抑制手段を確立してこの問題を解決した。またアレイを太くすることで、アレイ表面からハイドロフォンまでの距離を取り、流体雑音を低減することもできるが、低周波に対応するためアレイが長くなっていることから、収容・運用面からはアレイは細いほうが望ましいとされる。アメリカ海軍の潜水艦では、流体雑音が比較的低い低速時には長く細いアレイを、流体雑音が増大する高速時には太く短いアレイを使い分けている。
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