晴の汗袗とは? わかりやすく解説

晴の汗袗

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/08 03:59 UTC 版)

汗衫」の記事における「晴の汗袗」の解説

宮中儀式伺候する童女などに用いられる豪華な上着。 形は武官の袍と同様で裾が長い。襟を内側折って垂領に着るので正面から見たところは袿の様だが、脇の部分縫われておらず胸元寛げ着付け前身頃の裾は一丈二尺、後身頃の裾は一丈五尺どちらも凧の足のように後ろ長々と引きずって歩く。 着用者が未成年者であるため、成人女性のようなではなくより丈の短い女児用の衵を重ねて通常1・5分の袖を三分の一ほど裏に折り返して着装する(おそらく現代和服肩裾揚げ似た目的行われたものだろう)、単と長袴は紅ではなく若さを表す濃色(紫)で束帯装束のように白い表袴女性用長袴の上に履く独特の着装方をとる。これは、衣装国風化する以前宮廷仕え女子男子同様に下袴の上表袴を身につけていた名残であるという。高貴な女児宮廷出仕用の装いとしての格式表現するのであるらしい。成立初期には男子束帯のように石帯をしたり、髪型も「あげまき」という男児にも結われる形にし、より中性的であった中期以降には髪型は「垂髪」、帯も汗袗同生地で仕立てられ当て帯となり、成人女性装いに近いものとなった成人男子衣冠装束相対するものとして、表袴と帯を略す「汗袗宿直装束」という着付けもあった。

※この「晴の汗袗」の解説は、「汗衫」の解説の一部です。
「晴の汗袗」を含む「汗衫」の記事については、「汗衫」の概要を参照ください。

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