日豪砂糖長期輸入契約締結
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/24 22:46 UTC 版)
「日豪砂糖交渉」の記事における「日豪砂糖長期輸入契約締結」の解説
かくして、安定した輸入先を求めていた日本製糖業界33社と安定した輸出先を求めていたオーストラリアCSRの思惑は一致し、長期の砂糖貿易契約が結ばれる。 日本・オーストラリア間で1974年12月に結ばれた契約内容は オーストラリアは1975年7月から5年間、毎年60万トンの原糖を日本に供給する。 価格は60万トンの50%はトンあたり405オーストラリアドル、残りの50%はトンあたり535と1/3アメリカドルとする。 (見直し条項)売主・買主は少なくとも年に1回、契約の運用と継続性に関する見直しを行う。 といった内容で当時の為替レートで計算すると原糖1トンあたり229ポンド(通貨)の価格となる。 しかし、この契約は1974年の物価水準の中で4000-5000億円もの巨額の契約にもかかわらず、契約書はわずか2-3枚の書面で「見直し条項」も細部は詰められておらず、大雑把な契約内容は後の紛糾の元になる。また、日本側の砂糖価格変動の見通しも甘く、契約交渉時にオーストラリア側から「固定価格で本当にいいのか?」と念押しされたにも関わらず、日本側は固定価格にこだわった。 日本側では日豪砂糖長期輸入契約によって輸入した原糖は、各製糖会社に1974年の国内シェアに比例して配分されることになった。1974年に日本国内でトップシェアの三井製糖が16.07%、第二位の塩水港製糖が9.78%からシェア最小の大西商事が0.01%まで製糖業界全社にシェアに比例して豪州産原糖の配分比率は決められている。この輸入カルテルは1975年2月輸出入取引法によって認可されている。 契約締結時には日本製糖業界も農林省(現在の農水省)も安い価格で長期の安定供給が確保できたと喜んだが、半年も経たないうちに日本側は見通しが外れたことを自覚する。
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