日英博覧会の表現
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 17:26 UTC 版)
「NHKスペシャル シリーズ 「JAPANデビュー」」の記事における「日英博覧会の表現」の解説
1910年に開催された日英博覧会で台湾の先住民族・パイワン族の生活を紹介した企画を番組内で、「人間動物園」と表現したことについてNHKは、取材協力者のブランシャール の指摘する英国や仏国の考え方を基として野生動物商人ハーゲンベックの回想録にある独語の言葉を訳し、吉見俊哉の著書 を参考にしたとしている。しかし朝日新聞は、パイワン族が住む村の村長は「先達が海外で我々の文化を広めたことは村の誇りとして語り継がれている」と話し、又そのような感情を番組で紹介されなかったと報じた。産経新聞は「日本政府がパイワン族の実演を『人間動物園』と呼んだことはない」(訴状)、「パイワン族に対する人権問題」(出演者)だとして訂正を求める声が挙った と報じた。 番組に出演し、「人間動物園」に関連して登場したパイワン族の女性が涙を流しながら話す場面に「悲しいね。この出来事の重さ語りきれない」との字幕が付けられて放送されたが、朝日新聞の取材によると、この女性は「涙を流したのは父親を懐かしく思ったから」「説明もなく突然(NHKが)来て、父親の写真を見せられただけ」と証言しており、番組の発言を専門家が翻訳したところ「何と言えばいいか。(父のことは)よく分からない」と語っていると伝えられた。同紙は、NHKの「発言と字幕は違っていない。見せ物になったこともディレクターが説明した」との反論も合わせて伝えた。産経新聞の取材として、番組に出演したパイワン族は「番組を見るまで人間動物園の言葉を全く知らなかった。(放送された)『かなしいね』などと述べた自分のコメントは、人間動物園に対して(かなしいと)述べたものではなく、(取材者から示された写真の)亡父を見て『かなしい』と語ったものだ」と説明した、と伝えた。
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