日本語におけるモーラ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/29 05:08 UTC 版)
日本語学などでは、モーラを拍と呼ぶことが多い。また、日本語話者が日本語における音を数える際に、無意識に単位としていることが多くみられる。例えば、日本語定型詩の「七五調」や「五七調」、俳句の「五・七・五」、短歌の「五・七・五・七・七」などは、(しばしば無意識に「文字」などと言われることがあるが)実際にはこの拍を数えたものである。 日本語の多くの方言においても同様である。日本語の仮名1文字が基本的に1拍である。ただし、捨て仮名(「ぁ」「ぃ」「ぅ」「ぇ」「ぉ」「ゃ」「ゅ」「ょ」「ゎ」といった小書きの仮名)は、その前の仮名と一体になって1拍である(たとえば「ちゃ」で1拍。拗音も参照)。一方、長音「ー」、促音「っ」、撥音「ん」は、独立して1拍に数えられる(これが「音節」と異なる主な点である)。音節単位で見るなら、長音は長母音の後半部分を、促音は長子音の前半部分を切り取ったものであり、撥音は音節末鼻音や鼻母音をモーラとしたものといえる(鼻母音は基になる母音+「ん」の2モーラになる)。これらは、「語頭に現れない」「単独で音節を形成しない」「お互いに連続することが稀である」などの性質をもち、二重母音の第二要素も含めて特殊拍(special mora)と呼称される。これらを除いて、単独で音節を形成する拍は自立拍(independent mora)と呼称される。
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