日本艦隊の誤認
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/07 14:24 UTC 版)
一方、ガダルカナル島へ向かっていた日本艦隊は道中大規模なスコールに遭遇し、之字運動(ジグザグ運動)を中止した。この時まだ戦闘配置命令は出ておらず、「煙草盆引け」が出たにすぎなかった。2133、日本艦隊はスコールを抜けてサボ島西10海里の地点に達する。そしてガダルカナル島飛行場を砲撃するため戦闘配置についた2143、青葉の見張員がガダルカナル島手前に「左十五度、艦影3、針路南西、距離100(1万m)」と報告した。これに対し哨戒長(この時点で青葉水雷長)は輸送隊(日進、千歳)と判断、第六戦隊司令部も同判断だった。この時、基地航空隊(第十一航空艦隊)の索敵機や先行した輸送隊からは敵に関する報告はなく、発見した艦影の中に輸送隊日進などに類似した艦影があったため味方である可能性が生じていた。また輸送隊の針路が目的地とは違う南西に向かっているという問題もあったが、何らかの都合で針路が変わった可能性も考えられた。これらの理由もあって、五藤少将は同士討ちを懸念したとされる。 哨戒長を青葉航海長に交代後、五藤少将は味方識別信号(オルジス信号)を送るよう命じる。すぐさま「ワレアオバ」の発光信号(指向性発光信号)が送られたが、目標から応答はなかった。数分後、青葉見張り員が更に約7,000mの距離で「前方の艦影は敵艦」と報告する。しかし上記の疑念を持っていた五藤少将は艦隊を直進させつつ、2145頃に「左10度、味方識別10秒」を下令、敵味方確認の為に発光信号で確認を取らせた。一方で目標が敵である場合に備え、砲撃戦となった際に同航戦を行うため右回頭を命じた。 直後、艦橋最右端の18センチ双眼鏡を覗いていた掌航海長は最初に「味方」と報告、続いて「敵」と報告を修正した。この報告を聞き、青葉艦長久宗米次郎大佐は総員配置命令を出した。
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