日本以外の農業用水路
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/22 05:55 UTC 版)
太古の灌漑農業では主に河川の洪水を利用していたが、紀元前30世紀頃のメソポタミア文明ではチグリス・ユーフラテス川から引水しての灌漑農業が行われていたといわれており、そのための用水路が築かれ利用されていたと推定されている。また、この用水路は生活用水の供給や治水のための放水路も兼ねていたと考えられている。詳しくは「灌漑#灌漑の歴史」を参照。 ヨーロッパや中東の平野では、地形から自然引水による灌漑が難しかったり、水が溜まりやすかったりする地域がある。たとえばシリアの都市ハマでは、そばを流れるオロンテス川は水量が多く流れも速いが河床が低いために自然引水が難しく、水車などの動力により用水路まで水を汲み上げてから農業・生活用水を引いている。逆に、世界遺産に登録されているオランダのキンデルダイク村にある風車群 (The Mill Network at Kinderdijk-Elshout) などのように、河川より土地が低いために滞水しやすい地域に用水路兼排水路を巡らせ、水が不足する時は川から用水路へ取水し、逆に余剰となった時は風車で汲み上げて排水することで、かつての湿地を牧草地や花卉栽培等に利用している地域もある。 北米・南米などに近年多く造られるプランテーション(大規模農園)では、サイフォンの原理を用いた手法や、圧力導水路(管)とスプリンクラーを用いて散水させる方法などが多く使われている。 オランダ・キンデルダイクの風車群。用水路兼排水路の水量を調整する。 用水路と管を用い、サイフォンの原理で畑に給水する(2000年撮影)。 圧力導水路による用水路(アメリカ合衆国ワイオミング州、2002年撮影)。
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