日本の入浴習慣
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/10 07:45 UTC 版)
一般に日本人は入浴、特に高い温水での入浴を好むと言われ、多くの日本人が好む入浴温度は40~43度程度である。『徒然草』にも住まいは夏を旨とすべしとあるように、日本の住居は日本の多湿の気候を考慮して、風通しの良い構造が好まれていた。このため冬場に身体が冷えるために熱い温度の入浴が好まれるようになったというものである。 日本人が風呂好きとなった原因として、冬は前述の理由から、夏は高温多湿の気候により汗をかきやすく、火山島のため土が粘土質であり埃が立ちやすいことなど、1年を通じて入浴を必要とする日本の気候風土が挙げられる。また神道や仏教の影響を受け、入浴によって垢を落とすことは浮世の汚れとともに、心の中の垢(いわゆる「煩悩」)をも洗い流すと信じられてきたことや、入浴による心身における爽快感という実体験が慣習として根付いたのだとする見方もある。 これに対して、例えば中国では沐浴を5日に1回行うことが理想とされてきたが、基本的には蒸気浴・あるいは行水の類であったと考えられており、日本人の入浴が特殊であったことを物語っている。他の外国も行水、シャワーを使用する国が多い。 日本人は入浴に対し熱心かつ真剣であると言われる。「アメリカ人は体をきれいにするために風呂に入るが、日本人は体をきれいにしてから風呂にはいる」と言われるほど浴槽の衛生管理に気を使っている。日本では、浴槽に入る前に身体を洗うか、汚れを流し落とすことがマナーとされる。日本人と同じく入浴に熱心だったローマ人にとって、入浴はその後の活動の準備であり、そのために体をリフレッシュさせる手段であるため専ら日中に入浴した。一方、日本人は一日の疲れを癒やしぐっすり寝るために夜に入浴する。
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