日中両国の報道の相違
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 14:50 UTC 版)
「尖閣諸島中国漁船衝突事件」の記事における「日中両国の報道の相違」の解説
日中両国の報道は、時間が経過するにつれ細かい点で微妙なズレを見せた。 中国においては、当初久場島(中国名:黃尾嶼)で中国船が日本の巡視船により発見され、逃走した事実はあまり報道しておらず、魚釣島(中国名:釣魚島)での日本側からの衝突事件として報道している。例として9月7日事件発生当日の中国の報道の1つ「環球網 huanqiu.com」を見ると、日本の巡視船「よなくに」が中国漁船に対して、(海域からの)退去を警告した後で衝突が発生したとし、「よなくに」の手すりの支柱が折れたとしている。また同巡視船「みずき」の衝突による破損は、右舷高さ1メートル幅3メートルとしている。これらの報道では「よなくに」が中国船に対して退去を警告した点や、「みずき」の右舷の破損に関しては、比較的日本の初期の報道に近い。 しかし事件発生から船長釈放の25日まで継続している、sohu.comの事件を特集したサイト「中国渔船与日本巡逻船发生相撞」では、中国船と日本の巡視船の衝突の様子や衝突箇所が、日本の報道と異なっている。ここではあくまで中国漁船は、自国の海域での操業であったという前提で報道されている。中国漁船が操業していたところ、進路に日本の巡視船が突然現れ、「よなくに」が接触したとしている。また「みずき」との接触後、中国漁船は魚釣島海域を離れたが、その後日本の巡視船が追いかけてきて逮捕したとしている。 香港・文匯報2010年11月6日の記事では、香港職業訓練局海事訓練学院の楊沛強(ヤン・ペイチャン)マネージャーの分析を紹介し、流出映像を分析するかぎり事故原因は日本巡視船が突然方向を変えたためだと報道した。 日本の報道では、久場島の北北西約27キロの日本の領海から約3キロの排他的経済水域(EEZ)で、巡視船「みずき」の保安官が乗り移って停船させたとしている。
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