日やけ止めの成分
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/10 08:19 UTC 版)
「サンスクリーン剤」の記事における「日やけ止めの成分」の解説
日やけ止めに配合されている成分である紫外線防御剤は、大きく2種類に分類できる:37。 紫外線散乱剤 紫外線拡散剤は紫外線を物理的に反射し、吸収剤は紫外線を化学的に吸収し、肌に紫外線が届くのを防ぐ。鉱物由来の成分が多く、塗った時に白く見え、これを好まない場合もある。 酸化チタンや酸化亜鉛の安全性は確認されている。 毒性は低く、ナノ粒子化によって皮膚を透過するのではという懸念については、ほとんど角質層にとどまっており吸収されないとされる。主な懸念として、チタンと亜鉛では、量は限られているものの紫外線への暴露によってフリーラジカルを放出することである。 酸化セリウムは、酸化チタンの代替として注目されている。 紫外線吸収剤 紫外線吸収剤は合成化合物が多い。紫外線吸収剤はその性質上、紫外線のエネルギーを吸収する際に分子構造が破壊されることがあり、防御性能が時間とともに低下する。破壊後の生成物がアレルギー反応や炎症を起こすなどの可能性がある。 日本国内では厚生労働省のポジティブリストに収載された物質以外は配合できない。 米国で皮膚から吸収されるという研究結果から2019年11月までに体内への吸収データが提出されない場合、使用許可を取り消す方針を示している。従来は吸収されないとみなされていたが、1990年代後半から吸収されるという研究結果が発表されるようになっていた。 SPF30や50といった効果の高い日焼け止めには散乱剤および吸収剤の両方が多くの製品に使用されている。 特に合成の紫外線吸収剤による光への増感作用、接触性皮膚炎、免疫抑制、エストロゲン作用、甲状腺ホルモンのかく乱といった報告があり、植物由来でより安全な、そして環境にも優しい化粧品への関心を集めている。オキシベンゾン(英語版)など欧州連合では既にほかの化合物に置き換えられているが、米国ではその置換先の物質は承認されていないので置き換えできないといった事情が2019年時点で存在している。
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