新潟造船とは? わかりやすく解説

新潟造船

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/07 10:27 UTC 版)

新潟造船株式会社
Nigata Shipbuilding and Repair Inc.
種類 株式会社
市場情報 未上場
本社所在地 日本
951-8011
新潟県新潟市中央区入船町4丁目3776
設立 2003年平成15年)4月1日
業種 輸送用機器
法人番号 7110001006714
事業内容 船舶建造
船舶修繕
鋼構造物の製作
代表者 代表取締役社長:一柳 雅人
資本金 4億75百万円(2009年3月末現在)
総資産 117億72百万円(2009年3月31日現在)
従業員数 約200名
決算期 3月末日
主要株主 常石造船株式会社 100%
外部リンク https://www.tsuneishi.co.jp/nsr/
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新潟工場付近(2016年)。ジェットフォイルの背後が第2ドック及び艤装・修繕岸壁(海洋支援船が艤装作業中)。
新潟工場第2ドックから出渠する佐渡汽船のRORO貨物船日海丸(2020年)

新潟造船株式会社(にいがたぞうせん)は、新潟県新潟市中央区に本社を置く日本造船業者。

概要

2003年(平成15年)4月1日三井造船の100%子会社として設立され、会社更生中の新潟鐵工所の造船部門の事業譲渡を受け、営業を開始した。新潟市および神奈川県三浦市に工場を有する。

2022年10月に親会社である三井E&S造船が常石造船の連結子会社となったことから、新潟造船も常石グループに入っている。

組織・主要設備

新潟県新潟市に本社・新潟工場を、神奈川県三浦市に三浦工場を設置している[1]。新潟工場ではおもに新造船・修繕船事業を[2]、三浦工場では修繕船事業を行っているが、2000年代には三浦工場でも新造船事業を行ったこともある[3]

沿革

建造船

前身の新潟鐵工所造船工場時代から、おもに漁船を中心に建造している[8][9]第二次世界大戦中は、日本海軍の第二十八号型駆潜艇丙型海防艦などディーゼル主機関の小艦艇の建造も行った[10]

新潟造船に移行後の2006年平成18年)には、より大型の船舶の建造に向けて船殻ブロック大型化に対応するため、新潟工場第1ドックに650tクローラークレーンを導入し、一般商船の建造も開始した[7][11]。漁船についても、省力化等を進めた次世代型の漁船の開発・建造に取り組んでいる[8]

漁業実習船などの官公庁船の受注も多い[8][12][13]。2000年代には日本政府や日本財団の対外援助事業による外国政府向け案件の受注もあり、2003年(平成15年)にはインドネシア運輸省向け設標船1隻を、2004年(平成16年)には同じくインドネシア運輸省向け防災船[14]1隻を引き渡したほか、防災船2番船のインドネシア国内建造への技術支援も行っている[15][16][17]

2014年(平成26年)には、カナダTeekay Offshore Partners社の子会社であるオランダALP Maritime Services社向けに、世界最大級の300トンの曳航能力を有するオーシャン・ゴーイング・タグ(海洋支援船)4隻の建造を受注(基本設計はノルウェーULSTEIN DESIGN & SOLUTIONS社)[18]したが、建造中に設計変更や不具合の発生から工程が混乱し、資機材・工程の増加により2016年度第4四半期で約110億円の損失を計上する事態となった[19]。この状況に対処するため、三井造船の全面支援により、4隻のうち2隻の艤装工事等を三井造船の玉野事業所・千葉事業所で分担することとしたほか、人材の応援なども行われた[19]。これらにより、4隻全てが2017年度までに竣工の運びとなり、第1船「ALP STRIKER」は2016年9月12日[7][20]、第2船「ALP DEFENDER」は2017年6月20日[21][22]、第3船「ALP SWEEPER」は2017年10月4日[8][23]、第4船「ALP KEEPER」は2018年2月2日[24]、それぞれ竣工し、船主に引き渡された。

小型商船や大型漁船・作業船の開発・建造の技術力は、船主や船舶工学の学会から一定の評価を得ており、建造船は日本船舶海洋工学会シップ・オブ・ザ・イヤー2007年小型貨物船部門賞・2012年及び2015年の漁船・作業船部門賞を受賞している[25][26][27][28]

脚注

  1. ^ a b c d e f g h i 『海運・造船会社要覧2022』 海事プレス社、2021年、pp.630-631
  2. ^ 2007年9月18日付溶接ニュース(第2731号)「工場探訪ルポ 新潟造船/本社・新潟工場」(2023年6月6日閲覧)
  3. ^ 2005年4月21日付日本海事新聞 「新潟造船/三崎工場で新造船建造開始。第1船は漁業調査指導船」
  4. ^ a b c 新潟造船株式会社公式サイト掲載「工場紹介 - 本社・新潟工場」(2023年5月24日閲覧)
  5. ^ a b c 新潟造船株式会社公式サイト掲載「工場紹介 - 三崎工場」(2023年5月24日閲覧)
  6. ^ 一般社団法人日本舶用機関整備協会『「舶用機関整備士」を利用した検査合理化制度の概要』(2022年12月23日閲覧)掲載「国土交通省地方運輸局公認舶用ディーゼル機関『サービス・ステーション』名簿(令和3年7月1日)」(2022年12月23日閲覧)
  7. ^ a b c d e f g h 新潟造船株式会社公式サイト掲載「沿革」(2023年5月26日閲覧)
  8. ^ a b c d 新潟造船株式会社公式サイト掲載「事業内容」(2023年5月24日閲覧)
  9. ^ にいがた就職応援団ナビ2024「新潟造船株式会社 - 応援団注目企業」(2023年6月6日閲覧)
  10. ^ 世界の艦船』1996年2月号増刊(No.507)「日本海軍護衛艦艇史」pp.30-37・74-75・79-82
  11. ^ 2006年4月28日付日本海事新聞「新潟造船/新造設備用にクローラークレーン」
  12. ^ 新潟県教育庁高等学校教育課 『実習船「海洋丸」の建造について』(2023年6月6日閲覧)
  13. ^ 北海道大学水産学部・水産科学研究院 『新うしお丸ができるまで<カウントダウン>』(2023年6月6日閲覧)
  14. ^ JICA『ODA見える化サイト』「防災船調達事業」(2021年6月27日閲覧)
  15. ^ 『世界の艦船』2004年2月号(No.622)p.65
  16. ^ 『世界の艦船』2005年3月号(No.639)p.67
  17. ^ 『世界の艦船』2005年10月号(No.648)p.129
  18. ^ 三井造船株式会社 2014年4月7日付プレスリリース『新潟造船 オーシャン・ゴーイング・タグ 4隻を受注 - 世界最大級300トンの曳航能力 -』(2017年8月15日閲覧)
  19. ^ a b 2016年2月10日付日刊工業新聞「三井造、新潟造船を支援 − 欧向け建造難航で事業所分担、人材も派遣へ」(2017年8月15日閲覧)
  20. ^ 三井造船株式会社 2016年9月27日付プレスリリース『新潟造船、世界最大級の曳航能力タグ第1船引き渡し』(2017年8月15日閲覧)
  21. ^ 三井造船株式会社 2017年6月21日プレスリリース『新潟造船、世界最大級の曳航能力タグ第2船引き渡し』(2017年8月15日閲覧)
  22. ^ 『世界の艦船』2017年9月号(No.865)p.131
  23. ^ 三井造船株式会社 2017年10月17日付プレスリリース『新潟造船、世界最大級の曳航能力タグ第3船引き渡し』(2023年5月26日閲覧)
  24. ^ 三井造船株式会社 2018年2月6日付プレスリリース『新潟造船、世界最大級の曳航能力タグ第4船引き渡し』(2023年5月26日閲覧)
  25. ^ 『世界の艦船』2008年9月号(No.695) pp.130-131
  26. ^ 公益社団法人日本船舶海洋工学会『シップ・オブ・ザ・イヤー2007』(2023年6月24日閲覧)
  27. ^ 公益社団法人日本船舶海洋工学会『シップ・オブ・ザ・イヤー2012』(2023年6月24日閲覧)
  28. ^ 公益社団法人日本船舶海洋工学会『シップ・オブ・ザ・イヤー2015』(2023年6月24日閲覧)

外部リンク


新潟造船

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新潟鐵工所」の記事における「新潟造船」の解説

三井造船(現・三井E&Sホールディングス)の出資により、2003年4月1日事業譲渡される。

※この「新潟造船」の解説は、「新潟鐵工所」の解説の一部です。
「新潟造船」を含む「新潟鐵工所」の記事については、「新潟鐵工所」の概要を参照ください。

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