新型推進剤のミサイル計画
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/06/05 14:20 UTC 版)
「DF-2 (ミサイル)」の記事における「新型推進剤のミサイル計画」の解説
開発計画で提案されたミサイルは、日本全土に届く射程2,000km、運搬能力も原子爆弾の弾頭を載せるのにギリギリの1,500kgというスペックであった。第五研究院の計画では1962年までにミサイルを完成させる予定であった。この弾道ミサイルは、ソ連のR-12ミサイルにヒントを得たものであったが、ソ連政府はライセンスの関係で中国にR-12を売却することを拒否した。しかし当時、モスクワの航空関係の研究所でロケット工学を学んでいた留学生らは、自分たちもまだ見たこともないR-12についての技術的情報を得ようと、ソ連の研究者たちに執拗に質問を繰り返すという努力した。中国で開発が進められていたミサイルは、R-12と同様に酸化剤に常温貯蔵が可能なAK-20という硝酸と四酸化二窒素の混合物(赤煙硝酸)を用い、燃料にR-12のエンジン点火に用いた自己着火性のあるTG-02というジメチルアニリンとトリエチルアミンの混合物質を用いる計画であった。また大推力を得るために4基のクラスターエンジンを用いるという点も同じであった。 中国の留学生たちは、エタノール溶液と液体酸素を用いる従来型のミサイルであるR-5についても同じような手口で情報を得ていた。R-5は、R-2の拡大版である。
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