推進剤クロスフィード
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/02/14 05:04 UTC 版)
「モジュラーロケット」の記事における「推進剤クロスフィード」の解説
ファルコンヘビーでは独特の推進剤クロスフィード能力を備え、両側のコアの推進剤が消費されて空になって分離される準備が行われるまで中央のコアの大半の出力のための燃料と酸化剤が両側のコアから供給される事が計画されている。 推進剤クロスフィードは重量を2/3に低減すると共に中央コアの推進剤を2/3に節約する事を企図する(両側のブースターは中央のブースターの9基のエンジンの3基のみに供給する)。これはもはやロケットが余分な重量を運ばない事を意味する。これは同様に通常の3段式ロケットのように空中で点火せず、発射時に中央コアの始動が可能である事を企図する。これにより空中での始動の失敗を憂慮しなくてもよい。従来の3段式の構成であればファルコンヘビーと同等の打ち上げ能力を備える場合には1段目に27基、2段目に9基のエンジンを備えることで、ファルコンヘビーは合計27基なので9基分の費用を節約する事が可能である。推進剤の供給系統を簡略化できる。 この段システムは普及したシミュレーションゲームのKerbal Space Program内で"アスパラガス段"と称される。この語彙はゲームのコミュニティの外でも有名だが、Tom Logsdonの軌道力学の本の中で提案されたブースターの設計に由来する。技術者のEd Keithは創作者として帰属する設計を"アスパラガス-stalk ブースター"と呼んだ。(Logsdon, Tom (1998), Orbital Mechanics - Theory and Applications, https://books.google.com/books?id=C70gQI5ayEAC&pg=PA143&lpg=PA143&dq=asparagus-stalk+booster&source=bl&ots=eXLhW_FLSQ&sig=WVZJZM1kpAzAXXCZRVVa_fwtYAI&hl=en&sa=X&ei=72rtUfybI8aayQHkhoHwCA&ved=0CH8Q6AEwDQ#v=onepage&q=asparagus-stalk%20booster&f=false ). しかし、推進剤クロスフィードには大幅な設計変更が伴うなど技術的難度も高く、ファルコンヘビー初号機での採用は見送られた。
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