推定される自然歴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 06:43 UTC 版)
出典 潜在性自己免疫性甲状腺炎慢性自己免疫性甲状腺炎古典的橋本病萎縮性甲状腺炎病態 初期 中期 後期 終末期 甲状腺自己抗体 陰性 - 陽性 陽性 陽性 陽性 - 陰性 甲状腺腫腫大度 なし 軽度から中等度、軟から硬 大、硬 なし 甲状腺機能 正常 正常、機能低下、破壊性甲状腺中毒症 正常、機能低下、破壊性甲状腺中毒症 機能低下 橋本病は不均一な疾患であり一般化は難しいが、疫学調査から自然歴が推定されている。6歳から12歳では慢性甲状腺炎は稀であるが思春期を契機に甲状腺自己免疫現象が促進し、散在性のリンパ球浸潤と甲状腺自己抗体産出を来たす(無症候性甲状腺炎)、出産やストレス、ヨード負荷によって自己免疫現象や甲状腺機能が一過性に増悪しながら40歳以上になり約20%近くに甲状腺への炎症細胞浸潤を来たす。次第に瀰漫性変化を来たし、間質系の反応、濾胞上皮の変性、線維化などを生じると甲状腺が腫大する(甲状腺腫台の原因はリンパ球浸潤など慢性炎症によるものと高TSH血症による代償性肥大の機序が想定されている)。そして潜在性、顕性の機能低下症が増大する。TSH受容体に対する抗体まで生じそれが刺激性であればバセドウ病となり、阻害性であるか甲状腺細胞のアポトーシスなどを伴うと甲状腺は萎縮してくる。慢性甲状腺炎の約0.1%から0.2%が約10年以内に甲状腺悪性リンパ腫に移行する可能性を秘めている。他臓器の自己免疫異常を伴うと膠原病などを発症し、腎障害を伴うと予後不良となる。
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