採掘・製錬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/26 14:59 UTC 版)
坑道の深さ、総延長などの記録は不明である。しかし「地下120mの坑道は浸水がひどい」という勤労報国隊隊長の発言があり、その規模を知ることができる。 恵庭鉱山産出量年鉱石金品位金銀品位銀単位 [t] [g/t] [kg] [g/t] [kg] 193919,218 7.1 164.9 45.0 454 194028,688 6.5 184.4 48.7 1,086 194127,150 6.2 159.6 40.7 807 194225,461 9.2 237.1 66.2 1,147 青化精錬所では、金・銀がシアン化カリウム・シアン化ナトリウムなどとシアノ錯塩を形成し水に溶けるようになることを利用して岩石と分離していた(湿式製錬)。このためには最初にクラッシャーとよばれる粉砕機で鉱石を粉末化する必要がある。恵庭鉱山の精錬所では山の斜面にクラッシャーを8段にわたって設置していた。トロッコ軌道で鉱石を最上段まで運び上げて投入し、下まで落とす間に順次細かく破砕していた。鉱石の粉末をシアン化物水溶液と反応させ、岩石分を濾過した水溶液を乾燥させて残った澱物(金・銀・その他金属を含有)を出荷していた。当初は鉱石のまま北の札幌市南区石山経由で秋田県の小坂製錬所に送っていたが、日本鉱業参入後は南の支笏湖を船で渡り茨城県の日立製錬所に送るルートに変更された。 各年毎の鉱石採掘量、金・銀品位(含有量)、金・銀産出量を表に示す。上記のように恵庭鉱山では鉱石からの中間精製までしかおこなっていなかったため、金・銀の産出量は推定値となり資料により差異がある。ここでは金産出量は「日本鉱業50年史」、銀産出量・鉱石採掘量・品位は「北海道の金属鉱業」による値を示す。
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