捕鯨船団拿捕
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 03:54 UTC 版)
「ピンギン (仮装巡洋艦)」の記事における「捕鯨船団拿捕」の解説
「トール」はマダガスカルの南で南下し、捕鯨船団内の通信が傍受されると西進しそちらへと向かった。捕鯨船団は暗号化もせず通信を交わしており、それによって「トール」側は捕鯨母船「Ole Wegger」(12201トン)、「Pelagos」(12083トン)の存在と、タンカー「Solglimt」(12246トン)が近く到着することを知った。1941年1月13日、「Solglimt」が「Ole Wegger」のもとに到着。翌日、「ピンギン」はそこを襲い、「Solglimt」と「Ole Wegger」および捕鯨船「PoL VIII」、「Pol IX」、「Pol X」、「Thorlyn」を拿捕。1月15日には「Pelagos」と「Star XIV」、「Star XIX」、「Star XX」、「Star XXI」、「Star XXII」、「Star XXIII」、「Star XXIV」を拿捕した。「Pelagos」と「Solglimt」は1月25日に分離され、3月11日と3月16日にフランスに着いている。2月15日、補給船「Nordmark」および「Duquesa」と合流。2月18日には補充用の魚雷や機雷、飛行機を積んだ補給船「Alstertor」が到着した。また、フランスへ向かう「Ole Wegger」と10隻の捕鯨船と別れた。捕鯨船は2隻がイギリスのスループ「Scarborough」に捕捉され、自沈している。残りの1隻の捕鯨船は「Adjutant」と改名され、「ピンギン」に同行することになった。「ピンギン」の偽装の変更も行われ、ノルウェー船「Tamerlane」となった。2月25日、仮装巡洋艦「コルモラン」と会合した。 「コルモラン」と別れると「ピンギン」はインド洋に戻り、3月12日にケルゲレン諸島の東で仮装巡洋艦「コメート」および補給船「Alstertor」と会合した。その後11日間「ピンギン」はケルゲレン諸島にとどまり、その間には「Adjutant」の機雷敷設任務用への改装もなされた。その後「ピンギン」はタンカー「Ole Jacob」から補給を受け、それから北上した。 4月24日朝、マヘ島の北で「Adjutant」が船を発見。その時「ピンギン」では機関に問題が発生していたため、その船、イギリス船「Empire Light」(6828トン)のもとにたどり着くのは翌朝となった。「ピンギン」は「Empire Light」に対して発砲し、「Empire Light」はマストが折られ、操舵装置が損傷した。クリューダーは機雷敷設艦とする船を求めていたが、操舵装置破損のため「Empire Light」は沈められることとなった。クリューダーが機雷敷設用としてより好んだのはタンカーで、「Ole Jacob」の使用許可を求めたものの却下された。4月28日、飛行機が2隻の船を発見。「ピンギン」が近い方へ向かっている途中により近くで別の船発見の報告が入り、そちらに目標を変更。翌日、その船、軍需品を積んだイギリス船「Clan Buchanan」(7266トン)に発砲し停船させた。「Adjutant」は投げ捨てられた巡洋艦「ホーキンス」の戦時日誌などを回収した。この船も「Empire Light」と同様の理由で沈められた。クリューダーはタンカーを求めてペルシャ湾口の方へ向かうことを決断し、5月7日にタンカー「British Emperor」(3663トン)が発見されたが。この船は停船せず無線を発し続けたため撃沈されることとなった。
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