指導方針、功績など
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/13 18:40 UTC 版)
「フィル・ジャクソン」の記事における「指導方針、功績など」の解説
ジャクソンが監督に就いた1980年代末のシカゴ・ブルズや21世紀直前のロサンゼルス・レイカーズは、才能ある選手を擁した強豪でありながら、優勝には及ばないチームだった。ジャクソンが監督として成し遂げたことは、優勝に近いチームをまとめ上げ、実際に優勝させたことだった。 選手時代の経験から、ジャクソンはチームの和を重視した指導を行う。これを具現化させたものがアシスタント・コーチのテックス・ウィンターが考案したトライアングル・オフェンス導入だった。頻繁にボールを回して攻撃を分散させるシステムにより、マイケル・ジョーダンやシャキール・オニール、コービー・ブライアントなど得点能力の高い選手の負荷を減らし、相手のディフェンスを分散させる効果をもたらしている。 トライアングル・オフェンスによりジョーダンの平均得点は下がったものの、依然としてリーグの得点王のままだった。得点王を擁したチームがリーグを制したのは1971年のミルウォーキー・バックス(得点王はカリーム・アブドゥル・ジャバー)以来のことだった。得点王のいるチームは優勝できないという格言がNBAには定着しており、ジャクソンとジョーダンはこれを打ち破った。 ジャクソンの率いるチームはいずれもディフェンスも非常に重視され、失点も少なくなっている。防御から攻撃に移れるように相手のボールを奪い、味方とはしっかりとしたパス回しができるように常に指示している。これは彼が現役時代だった頃のニューヨーク・ニックスのプレイスタイルから来ているという。また、チームは全員が参加してこそのチームであるという思想もあり、控え選手をかなり長めにプレーさせる傾向にある。控え選手が期待に応えて大活躍し、リードされていた点差を逆転した試合もあったが、控え選手をコートに出している間に相手に点差を拡げられて負けた試合もあった。運動能力が高く、ディフェンスに献身的に取り組む選手や一芸に秀でていて特定の仕事を確実にこなせる選手がジャクソンの好みの選手であると言われている。 ジャクソンは若い時代から読書家で、古今東西の思想に通じていた。特に禅については禅僧に師事して学び、自らも折を見つけては瞑想するだけでなくバスケットボールの指導にも採り入れている。 2008-09シーズンが終わった時点での監督としての通算勝率は、レギュラーシーズン1041勝435敗で、プレイオフでは209勝91敗で、400試合以上を指揮した監督としてはともに歴代1位。プレイオフでの勝ち数209も歴代最高である。監督としての優勝回数11回はそれまで並んでいたレッド・アワーバックの9回を抜いて歴代1位となった。
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