持効型インスリン
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「インスリンアナログ」の記事における「持効型インスリン」の解説
インスリンデグルデク(degludec):ノボ ノルディスク社により開発された製剤で、2012年9月7日付で承認された。商品名はトレシーバ。ヒトインスリンのB鎖30位のスレオニン残基を削除し、B鎖29位のリジン残基にγ-グルタミン酸を介してヘキサデカン二酸を結合させた構造を有している。本注射後速やかに可溶性マルチヘキサマーを形成し、そこから持続的に血中に吸収されるとされている。下記のグラルギンに比べ、夜間低血糖および重症低血糖の発現率が低いといわれている。また、作用持続時間は42時間を超える。2015年8月時点で、持効型インスリンとして唯一小児の用法・用量が承認されている。 インスリングラルギン(Glargine : HOE 901):旧ヘキスト社(現サノフィ)が開発し、日本でも2003年に商品名ランタスとして薬価収載されている。インスリンA鎖21位のアスパラギンをグリシンに置換し、B鎖C末端に2個のアルギニンを追加してある(21A-Gly-30Ba-L-Arg-30Bb-L-Arg-human insulin: C267H404N72O78S6 , 分子量6063)。酸性pH4では水溶性であるが、注射後中性に近い体内では微結晶になり、ゆっくりと溶解して血中に移行していく。そのため5時間後から安定した血中濃度となり、以後24時間以上一定濃度を維持する。注入器(オプチペンプロ1)の破損による過量投与の問題から、旧タイプ注入器の回収と新タイプ(オプチクリック)への切り替えが行われた。2006年5月ランタスの新規導入が厚生労働省通達により停止した。2008年現在は処方されている。またその後、使い捨て容器のランタスソロスターも上市された。 インスリンデテミル(detemir):ノボ ノルディスク社製の製剤で日本では2007年10月19日で承認を厚生労働省より取得した。商品名レベミル。B鎖30位のスレオニンを削除し、B鎖29位のリシンに脂肪酸のミリスチン酸を付加している。作用持続時間はグラルギンより短く、18時間程度とする見方もある。
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