投球制限問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 20:09 UTC 版)
「2006 ワールド・ベースボール・クラシック」の記事における「投球制限問題」の解説
第1回大会では各リーグ戦の試合ごとに投手の投球数制限が定められた。この投球数を超えた投手は投球数を超えた時点における打者との対戦を終えた後に強制的に他の投手と交代となった。 第1ラウンド 65球 第2ラウンド 80球 準決勝・決勝 95球 また投球回数によって登板間隔を空ける制限が定められた。 50球以上投げた場合 中4日 30球以上50球未満の場合 中1日 30球未満でも連投した場合 中1日 この背景には莫大な年俸を支払うMLBの球団側が、アメリカの保険会社に大会中の所属選手の故障に関する補償契約を求めた際、投球数の制限が無いと補償は出来ないと通告された点がある。これに対して、世界一を決める大会に制限は必要無いと主張する日本が唯一の反発の声を上げた。その一方で、この制限が投手起用や継投策などで緊張感や戦略性を生じさせ、結果的にはスリリングな試合展開の一助になったとする声もある。決勝戦では主力2投手を登板させられなかったキューバと投手を温存していた日本が明暗を分けた。 また、アメリカは投球制限から先発投手が長いイニングを投げられないことを見越して、本職の先発投手を3人(クレメンス、ピービー、ウィリス)に絞込み、それ以外のほとんどをMLB各球団のセットアッパー・クローザーで固めた。しかし、先発を極端に絞り込みすぎ、先発の誰かが不調であっても、ロングリリーフをこなせる中継ぎがほとんどいないため、なかなか降板させることが出来ずに、傷口を広げても打つ手が後手後手に回る状態に陥った。しかも、3人しか先発がいないためローテーションも崩すことができず、明らかに不調なウィリスも最後までローテーション通りに先発させる羽目になった。結局、アメリカは豪華リリーフ投手軍団が本領を発揮しないまま、2次予選で敗退した。
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