手続きとモジュール性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/07 05:17 UTC 版)
「手続き型プログラミング」の記事における「手続きとモジュール性」の解説
モジュール性とは、関心の分離と情報の隠蔽(英語版)からなるコンセプトである。初期の手続き型プログラミングでは、手続き+ローカル変数がモジュール相当になり、プログラムを手続きに分割することがモジュール性を表わしていた。スコープという概念も成立し、ローカル変数の読み書き可能範囲をその手続き定義内に制限したものは、ローカルスコープと呼ばれた。 モジュール性は再利用性とも関連しており、よく使われる手続きを各個参照可能にまとめたプログラムファイルはライブラリと呼ばれる。ライブラリは手続きの複合体であるが、機能的凝集から離れた論理的凝集になっていることがほとんどなので、単にプログラミングのための再利用性のみに特化している。 プログラムの規模拡大につれてモジュール性は、多くなった手続きとグローバル変数のグループ化を意味するようになった。名前空間、パッケージ、モジュールなどが登場した。モジュールは、一定の手続きとデータ(グローバル変数)をまとめたユニットである。モジュール・データは、同モジュール・手続き専用のモジュール変数になった。この制限はモジュールスコープと呼ばれた。 手続きとデータをまとめての整理方法は、関心の分離に基づいたモジュール凝集度で分類されている。内部隠蔽と外部公開の使い分けによるモジュール間の連結方法は、情報の隠蔽に基づいたモジュール結合度で分類されている。これらを体系化したプログラミングパラダイムには、1970年代に考案されたモジュラープログラミング(英語版)と構造化分析設計技法(構造化プログラミング)がある。 モジュラープログラミングは、モジュールを仕様定義とコード/データ実装に分離しての抽象化を主体にしている。仕様定義は、関数プロトタイプと構造体タグを列記したものであり、シグネチャやスペシフィケーションやインターフェースなどと呼ばれる。構造化プログラミングは、モジュールを手続き複合体とデータ構造に分離しての双方の連携を主体にしている。手続き複合体(モジュール)の各手続きは、内部隠蔽と外部公開用途に分けられている。
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