扇河岸とは? わかりやすく解説

扇河岸

読み方:オウギガシ(ougigashi)

所在 埼玉県川越市

地名辞典では2006年8月時点の情報を掲載しています。

〒350-1134  埼玉県川越市扇河岸

扇河岸

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/18 15:22 UTC 版)

日本 > 埼玉県 > 川越市 > 扇河岸
扇河岸
大字扇河岸字八斗蒔付近
扇河岸
扇河岸の位置
北緯35度53分52.81秒 東経139度29分45.19秒 / 北緯35.8980028度 東経139.4958861度 / 35.8980028; 139.4958861
日本
都道府県 埼玉県
市町村 川越市
地区 高階地区
設置 1889年明治22年)4月1日
人口
(2017年(平成29年)10月1日現在)[1]
 • 合計 601人
等時帯 UTC+9 (日本標準時)
郵便番号
350-1134[2]
市外局番 049[3]
ナンバープレート 川越

扇河岸(おうぎがし)は、埼玉県川越市大字。旧入間郡扇河岸村[4]郵便番号は350-1134[2]

地理

川越市の東南部に位置し、砂北部に島状に点在する飛地群。不老川を跨いだ北側を岸町、新河岸川を跨いだ北東側を南田島と接している。地域北辺を新河岸川が流れている。新河岸川に沿った低地にあたり、住宅地区として利用されている。河川改修前の北辺は新河岸川の南岸に位置していたが、改修の結果一部は北岸になっている。鉄道東武東上線新河岸駅が徒歩圏内となる。北辺で新河岸川と不老川が分岐している。

河川

歴史

荒川・新河岸川の河岸場

古くは三芳野郷仙波庄に属した[5][6]。元々は丸池と呼ばれる付近の湧水が集まる池だったが、天和2年(1682年12月28日お七火事として知られる天和の大火の際、江戸にある川越藩主松平信輝の屋敷が類焼したため、再建用の木材について入間川で下って川越で崩し、に積んで江戸へ運ぶことにした。しかしながら新河岸では川越の町から遠く、なおかつ充分な広さの空き地を提供できなかったため新たに丸池を埋め立て、河岸とした。この埋立地の形がに似ていたため扇河岸と呼ばれるようになった[4][7]。津田高知の『扇河岸記』によれば、低湿地であったため、造成が難しく、地形を高くするための土も近くから調達することが困難だったため、新たに深く堀を作りその際に出た泥を造成に使用した。このため工事費は高騰し、水村甚左衛門・藤野甚右衛門・井上与惣兵衛・松本平兵衛を魁首として近隣から17人の富裕の者を募り、砂村の勘左衛門が名主として諸事をはかった[7]。開発から川越城付の村とされた[6]農地については水田がなくのみであったが、たびたび水害に悩まされた[5][6]享保16年(1731年)に船問屋4軒が公認され、化政期には7軒に増え[6]安政6年(1859年)の時点で船は22艘を数えたが、より川越に近い上流に仙波河岸1879年明治12年)に開かれると、扇河岸の船問屋は次々と移転・廃業していき、「中安」(中屋安右衛門)1軒のみが扇河岸に残った[7]

明治時代に入って1889年明治22年)4月1日町村制施行に伴い、扇河岸村は上新河岸村下新河岸村・砂村・砂新田村・寺尾村藤間村と合併し高階村大字のひとつとなった。1876年明治9年)の人口は81人[8][4]。新河岸川の水運は1931年昭和6年)に改修工事の終了及び埼玉県からの通船停止令の発令により廃止され、五河岸全てが廃止された[9]1955年昭和30年)4月1日、高階村は川越市に編入され、扇河岸は川越市の大字のひとつとなった。

史跡

  • 初代高山勘左衛門夫妻の墓[7]

世帯数と人口

2017年(平成29年)10月1日現在の世帯数と人口は以下の通りである[1]

大字 世帯数 人口
扇河岸 257世帯 601人

小・中学校の学区

市立小・中学校に通う場合、学区は以下の通りとなる[10]

番地 小学校 中学校
102-2
105-1
105-3〜105-最終
川越市立高階北小学校 川越市立高階中学校
99 川越市立高階小学校
その他 川越市立砂中学校

交通

鉄道

鉄道は地内を通っていないが、東武東上線新河岸駅が最寄駅になる。

水運

かつては新河岸川舟運が存在したが、現存しない。

施設

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ a b 川越市 町字別・男女別人口と世帯数”. 川越市 (2017年10月2日). 2017年10月14日閲覧。
  2. ^ a b 郵便番号”. 日本郵便. 2017年10月11日閲覧。
  3. ^ 市外局番の一覧”. 総務省. 2017年5月29日閲覧。
  4. ^ a b c 『埼玉大百科事典 第一巻』埼玉新聞社、1974年3月、p238。
  5. ^ a b 新編武蔵風土記稿巻之百六十六』、「大日本地誌大系(八)新編武蔵風土記稿 第八巻」雄山閣、1957年9月再版所収。
  6. ^ a b c d 新編武蔵風土記稿 1929, p. 300.
  7. ^ a b c d 斎藤貞夫『川越舟運=江戸と小江戸を結んで三百年』さきたま出版会、1982年6月、p18-82。
  8. ^ 新編埼玉県史 別編5 統計 付録『町村編制区域表他』埼玉県、1981年3月。
  9. ^ 新河岸川広域景観プロジェクト便vol2
  10. ^ 町名地番別川越市立小・中学校検索”. 川越市 (2015年1月3日). 2017年10月14日閲覧。

参考文献

関連項目

外部リンク




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