恵那山森林軌道とは? わかりやすく解説

恵那山森林軌道

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/06 04:37 UTC 版)

恵那山森林軌道(えなさんしんりんきどう)は、岐阜県中津川市に存在した森林鉄道である。名古屋営林局中津川営林署が運営していた。資料によっては、恵那山森林鉄道黒井沢森林鉄道となっている。

中央本線中津川駅から本州製紙中津工場(現王子エフテックス中津工場)へ延びていた、貨物専用線の延長上に存在した。もともとは、この本州製紙貨物専用線の一部であった。

この記事では、恵那山森林軌道と関係深い、本州製紙貨物専用線も記載する。

路線の概況

路線データ

  • 軌間:762mm
  • 動力:内燃(ガソリン?)
  • 本州製紙中津工場~黒井沢・・・18.4km

歴史

  • 1906年明治38年):中央製紙(後の本州製紙中津工場、現・王子エフテックス中津工場)の貨物専用線開通。
    • 中津川駅~中央製紙、約4.1km。軌間は762mm。動力は牛馬であった。後に滝ヶ沢付近まで延長し、1912年には内燃化。
  • 1932年昭和7年):帝室林野局が、中央製紙貨物専用線の中津工場~滝ヶ沢を買収。恵那山森林軌道として開業。順次路線を延長する。
  • 1948年(昭和23年):本州製紙中津工場貨物専用線1067mmに改軌。国鉄中央本線中津川駅と直接乗り入れを開始。B6形が使用される。恵那山森林軌道は762mmのままであったため、本州製紙中津工場内で木材の積み替えを開始。
  • 1960年(昭和35年):恵那山森林軌道廃止。
  • 1969年(昭和44年):本州製紙中津工場貨物専用線廃止(作業3.7キロ、総延長4.1キロ[1])。
  • 1971年(昭和46年):中津川市役所裏庭にD51266を展示する為に、廃止済みの本州製紙中津工場貨物専用線を使用してD51266を引き入れる。牽引は国鉄C12形蒸気機関車が行なった。[2]
  • 1989年平成元年):中津川市役所裏庭に展示していたD51 266を、かつての本州製紙中津工場貨物専用線跡地沿線に存在する本町公園[3]に移転[4]

接続路線

幻の中津電気鉄道

1926年(大正15年)頃、中津川駅と川上(かおれ)地区を結ぶ“中津電気鉄道”(中津川電気鉄道ともいう)の計画が存在した。北恵那鉄道(現北恵那交通)との合弁会社が運行し、軌間は762mm、600Vの電化での計画であった。中央製紙中津工場引込み線を旅客化し、それを延長するというものであり、将来は改軌し、北恵那鉄道線との相互乗り入れも考えられていた。

実際には計画のみに終わる。予定地や測量の結果は、恵那山森林軌道の建設の参考にされたという。事実、この中津電気鉄道の計画路線と恵那山森林軌道はほぼ一致する。

現在も北恵那交通が当路線に並行してバスを運行している。

その他

  • 黒井沢からは恵那山の登山ルートの一つである、黒井沢ルートがある。
  • 恵那山ウェストン公園から黒井沢への道路は、恵那山森林軌道の跡を整備したものである。

脚注

  1. ^ 「専用線一覧昭和45年10月1日」『トワイライトゾーンMANUAL12』ネコパブリッシング、2003年
  2. ^ 国鉄 D型機関車 寄贈”. 中津川市デジタルアーカイブデータベース. 2003年9月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年10月6日閲覧。
  3. ^ 本町公園”. 中津川市 (2021年12月10日). 2023年10月6日閲覧。
  4. ^ D51蒸気機関車の移動”. 中津川市. 2003年5月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年10月5日閲覧。




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