内大臣森林鉄道
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/21 05:45 UTC 版)
内大臣森林鉄道(ないだいじんしんりんてつどう)とは、林野庁熊本営林局矢部営林署が国有林運搬のために熊本県上益城郡甲佐町の甲佐駅から熊本県下益城郡砥用町(現:美里町)を経て上益城郡矢部町(現:山都町)の貯木場までを結んでいた森林鉄道である。 内大臣大橋の完成[1]により1967年に廃止された。使用されたディーゼル機関車が監物台樹木園に保存されている。
路線データ
歴史

- 1915年(大正4年):緑川線13.6キロ、本谷線5.502キロ、小松谷支線0.4キロ開業、緑川線と本谷線間は高低差のためインクラインで接続[3][4]。木材は馬車で鹿児島本線松橋駅まで輸送された[5]。
- 1920年(大正9年):御船鉄道御船駅からの搬出を行いやすくするため、緑川線を上益城郡宮内村まで0.9キロ延長[4]。
- 1921年(大正10年):本谷線を1.9キロ延長し緑川線と接続、インクラインを廃止[4]。
- 1924年(大正13年):アメリカ製ガソリン気動車を導入。
- 1926年(大正15年):鴨猪谷支線14.8キロが開業。[要出典]
- 1927年(昭和2年):御船鉄道甲佐駅開業に伴い、宮内村、甲佐間 2.7キロ延長[4]。
- 1932年(昭和7年):西内支線 4.1キロ開業[4]。
- 1937年(昭和12年):5.5トンの蒸気機関車を導入[6]。
- 1944年(昭和19年):西内支線が延長し5キロへ[4]。
- 1950年(昭和25年):北谷内支線1.2キロが開業[4]。
- 1951年(昭和26年):本谷線が1.7キロ延長[4]。
- 1960年(昭和30年):本谷線が1キロ延長[4]。
- 1962年(昭和37年):軌道廃止。
- 使用されたディーゼル機関車(土佐造船1961年製)[7]が熊本市二の丸の監物台樹木園に保存されている。ホイールベースは88.144cm。
脚注
- ^ “甲佐町の文化財探訪「甲佐町の石橋(眼鏡橋)その3」~令和2年11月号”. 熊本県上益城郡甲佐町 (2020年11月1日). 2025年8月21日閲覧。
- ^ 「IX.林道 1.林道の現況」『熊本営林局事業統計書 昭和35年』1960年、376-377頁。doi:10.11501/2474378 。 矢部営林署/矢部経営計画区/内大臣事業区として掲載。その後、昭和36,37年58951,38,39年度57716,40年50476,41~43年14752となっている
- ^ 日本林道協会「第四節.森林鉄道 第六章.木材搬出技術の変遷 (9)内大臣森林鉄道」『林道事業のあゆみ』1964年、747頁。doi:10.11501/3448434 。 当資料では"甲佐貯木場・内大臣国有林内間13.7粁"と記載
- ^ a b c d e f g h i 「矢郡警察署 産業経済 林業」『管内実態調査書 熊本編 熊本篇』熊本県警察本部警務部教養課、1961年、490-491頁。doi:10.11501/2998497 。
- ^ 「内大臣斫伐所物語」『九州の国有林百年』林野弘済会熊本支部、1971年、266-270頁。doi:10.11501/12003734 。
- ^ 「6.森林鉄道に使用された蒸気機関車について 1.森林鉄道 E.熊本地区 E-1.内大臣森林鉄道の蒸気機関車」『演習林業務資料 第2号』北海道大学農学部演習林、1961年、65-66頁。doi:10.11501/12675591 。
- ^ 岩堀春夫「専用線の機関車」『鉄道ファン』No.322
参考文献
- 宮脇俊三『鉄道廃線跡を歩く』 X、JTBパブリッシング、2003年、211-213頁。ISBN 4533049087。
- 農林省山林局 編「官行斫伐 軌道(3)」『国有林 下巻』大日本山林会、1937年、213頁。doi:10.11501/1219533 。
外部リンク
- “甲佐町の文化財探訪「甲佐町の石橋(眼鏡橋)その3」~令和2年11月号”. 熊本県上益城郡甲佐町 (2020年11月1日). 2025年8月21日閲覧。 令和2年時点で現存するトロッコ林道鉄橋写真を紹介.廃止年度について昭和39年(1964年)と記載
- “内大臣森林鉄道・幹線”. 九州ヘリテージ (2005年5月27日). 2025年8月21日閲覧。
- 森林鉄道/林野庁HP 画像
固有名詞の分類
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