性格と能力
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/19 14:31 UTC 版)
ビーシュマは自己犠牲の象徴として描かれる事が多い。ビーシュマは最高のブラフマチャリヤであり、当時の最高の戦士でもあった。彼は王にふさわしい傑出した才能と人格を備えていた。彼は真の武人であると同時に卓越した苦行者でもあった。彼のように二つを兼ね備えた者は非常に稀である。彼は不要な時には決して感情や怒りを表に出さなかった。真実と義務の象徴であったビーシュマは、あらゆる意味で真の人間であった。彼ほどの人物が人生を孤独と悲しみの中生きたのは、不幸であった。しかし、そうしなければヴァシシュタの呪いは解けなかった。ビーシュマの人生が苦しみに満ちている事は運命により定められていた。しかし、ビーシュマは義務から目を背ける事はなかったし、大切な人たちを愛する事も忘れなかった。しかし、ビーシュマの人生に全く非が無いわけでは無かった。ビーシュマは弟のためにカーシー国から3人の王女を攫っている。また、彼はドゥルヨーダナを更生させる事ができなかったし、ドラウパディーが衆目の中衣服を剥がれるのを止める事もできなかった。ビーシュマは最も熱心なクリシュナ信仰者の一人であった。彼はパーンダヴァとカウラヴァの間に立って戦を止める事に尽力した。クルクシェートラの戦いの最中にも、彼は二つの軍隊の衝突を避ける事で戦の規模を抑えようとした。彼が地に落ちた後も、両軍に戦争を止めるよう説得を続けていた。戦争後、矢のベッドに横たわりながら、ビーシュマはユディシュティラに王としての義務を説いた。ビーシュマは常に法(ダルマ)を重視していたが、不法(アダルマ)を行う主君のドリタラーシュトラには従わざるを得なかった。クルクシェートラの戦いの最中、クリシュナはビーシュマに助言した。「もし戒律が社会に害悪を成す場合、それを破ってでも道徳的な義務に従うべきである」と。ビーシュマは戦士であり、指導者(アーチャリヤ)でもあった。そのため、ビーシュマーチャリヤとも言われていた。
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