復興と課題、国家との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 00:55 UTC 版)
「ロシア正教会の歴史」の記事における「復興と課題、国家との関係」の解説
正教会をはじめとして宗教に大弾圧を加えたソヴィエト政権が崩壊した後、ロシア正教会はロシア人の精神的なよりどころとして教勢を再び伸ばしている。破壊されたカザンの生神女福音聖堂、モスクワの救世主ハリストス大聖堂の復興をはじめとして、各地でソ連時代に破壊された聖堂の復興や教会組織の再建、および修道院の復興・新設が進んでいる。ソ連時代に禁じられていた放送・出版も活発に行われるようになった。 「新致命者」も参照 ソ連は崩壊したが、ソ連時代に当局に協力していた聖職者がいたこと(止むを得ず信徒を守るために協力した者がほとんどであったとされるが、進んで協力していた者もいたとされる)による信徒・国民からの教会に対する不信が尾を引いており、ロシア正教会にとって解決の容易でない問題となっている。 ロシア連邦において、一宗教団体としては別格の扱いを政府から受けているロシア正教会ではあるが、国教とは位置づけられていない(世界で現在国教としての扱いを受ける正教会組織はギリシャ正教会、フィンランド正教会のみである)。ロシア連邦は多民族国家でありムスリムや仏教徒も多数存在しており、政府も正教以外の宗教に対する一定の配慮を示している。 ロシア正教会に限らず、正教会は現在、「正教の離散」と呼ばれる問題を抱えている。これは、正教が現代に入って土地ではなく各民族教会ごとに管轄を保持する傾向が強まり、教区を巡る争いが複数発生している問題を指す。ロシア正教会も同様の問題を各地に存在するロシア人コミュニティを巡って抱えており、多くは決着をみていない。 詳細は「正教の離散」を参照 ただし懸案のひとつであった在外ロシア正教会との関係については、ロシア正教会の首座主教であるアレクシイ2世総主教指導下のモスクワ総主教座と在外ロシア正教会で和解交渉が進められ、2007年5月17日モスクワで最終合意文書の締結に至った。在外ロシア正教会は準自治正教会としての格を有することとなった。
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