往五天竺国伝とは? わかりやすく解説

慧超

(往五天竺国伝 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/21 02:51 UTC 版)

慧超
各種表記
ハングル 혜초
漢字 慧超
恵超
発音: ヘチョ
日本語読み: えちょう
観光部2000年式
MR式
漢語拼音
Hyecho
Hyech'o
Huìchāo
テンプレートを表示

慧超(えちょう、ヘチョ、혜초704年 - 787年)は新羅からに渡って密教を学び、インドに法を求めて旅し、『往五天竺国伝』を著した高僧である。恵超とも。

生涯

新羅に生まれた慧超は幼い頃唐に渡り、719年広州で南インド出身の僧・金剛智から密教を学んだ。この金剛智の勧めにより722年頃海路インドに向かった[要出典]。数年間インド諸国を旅し、中央アジアを経て727年唐に帰着、『往五天竺国伝』を著した。長安大薦福寺で引き続き金剛智のもとで訳経に従事し、金剛智死去後は不空(705年〜774年)の指導を受けた。 慧超は780年五台山で『大乗瑜珈金剛性海曼殊室利千臂千鉢大教王経』を訳出した記録がある。近年の研究で787年に死去したことが判明した[要出典]。唐高僧伝に慧超の伝がなく、その伝記は不明なことが多い。

往五天竺国伝

五天竺とは中インド、北インド南インド東インド西インドのインド諸国を指す。玄奘の『大唐西域記』のように後世に伝世された書物ではなく、フランスの東洋学者ポール・ペリオ1908年敦煌莫高窟で発見した敦煌文献のひとつである。書物の首尾が欠けているため、最初は誰の著作か分らなかったが、ペリオの研究により新羅僧・慧超の著作と判明した。ペリオが発見する以前は、慧琳の『一切経音義』に収録された音義が現存するのみであった[1]

漢文はそれほど達文ではないが、8世紀に入ってイスラム勢力の中央アジア進出により中国との連絡が途絶えていたインド事情を記録したものとして歴史的価値がある。特にイスラム軍のインダス川流域シンド地方侵略の同時代記録として名高い。

ペリオ始め世界各国の東洋学者の研究があり、近年では中国の張毅の『往五天竺国伝箋釈』(中華書局)が出版されている。日本では桑山正進編纂による『慧超五天竺國傳研究』(京都大学人文科学研究所、1992年)が出版されている[1]

脚注

  1. ^ a b 吉田豊紹介 / 桑山正進編・『慧超五天竺國傳研究』」『オリエント』第36巻第1号、日本オリエント学会、1993年、199-200頁、doi:10.5356/jorient.36.199ISSN 0030-5219NAID 130000841817 

参考文献

外部リンク


往五天竺国伝

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/29 09:09 UTC 版)

慧超」の記事における「往五天竺国伝」の解説

五天竺とは中インド北インド南インド東インド西インドインド諸国を指す。玄奘の『大唐西域記』のように後世伝世された書物ではなくフランス東洋学者ポール・ペリオ1908年敦煌莫高窟発見した敦煌文献のひとつである。書物首尾欠けているため、最初は誰の著作か分らなかったが、ペリオ研究により新羅僧・慧超著作判明したペリオ発見する以前は、慧琳の『一切経音義』に収録され音義現存するのみであった漢文それほど達文ではないが、8世紀入ってイスラム勢力中央アジア進出により中国との連絡途絶えていたインド事情記録したものとして歴史的価値がある。特にイスラム軍のインダス川流域シンド地方侵略同時代記録として名高いペリオ始め世界各国東洋学者研究があり、近年では中国張毅の『往五天竺国伝箋釈』(中華書局)が出版されている。日本では桑山正進編纂による『慧超五天竺傳研究』(京都大学人文科学研究所1992年)が出版されている。

※この「往五天竺国伝」の解説は、「慧超」の解説の一部です。
「往五天竺国伝」を含む「慧超」の記事については、「慧超」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「往五天竺国伝」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「往五天竺国伝」の関連用語

往五天竺国伝のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



往五天竺国伝のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの慧超 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの慧超 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS