役者としての姿勢、普段の人柄など
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 16:29 UTC 版)
「萬屋錦之介」の記事における「役者としての姿勢、普段の人柄など」の解説
生前の錦之介を知る人の話を総合すると、相当な凝り性だったようである。 『子連れ狼』で拝一刀を演じたときには、同田貫の使い手である一刀に影響されてか、同田貫一門の刀コレクションを始め、多い時にはその数が数百本に達したという。また、占いにも凝っていたらしく、『ウルトラセブン』のモロボシ・ダン役で知られる森次浩司が森次晃嗣に改名したのも、占い好きの彼の助言によるという。 また、自身も方位学に凝り、ひどい時には、方角が悪いといって、方違えのために家に帰らず、ホテルに泊まることもしばしばであったという。その結果、女優の甲にしきとの不倫関係となる(後述)。 演技への情熱とその研究熱心な姿から「芸の虫」と呼ばれた。時代劇の殺陣は「刀の重みが表現できていない」として、動きに説得力を持たせるため警視庁で居合を教える達人に弟子入りまでした。 台本の台詞を完璧に頭に入れることを重視していた。数多く時代劇で共演したせんだみつおによると、萬屋は舞台の千秋楽の日も時間を見つけては大量のメモを書いた台本をじっと読んでいた。せんだが「覚えてるんだから、もう読まなくていいでしょ」と言うと、「僕が君にこの台詞を言うのはいつも初めてなんだよ」と返されたとのこと。これは「役者は毎日舞台に立つが客にとってはその舞台は一度きり。決して慣れがあってはいけない」との考えによるものとされる。 テレビ時代劇では、錦之介は午後3時までしか撮影しないのが不文律となっており、オープン・セットやロケーションのナイト・シーンは、すべて〈ツブシ〉と呼ばれる擬似夜景で撮られた。そのため、夜間撮影は錦之介以外のシーンに限られ、実際は殆ど無く、スタッフの間では「早く帰れる」と好評だった。 役者としては自分に厳しい試練を課す一方、普段はその明るく気さくで豪快な性格から俳優仲間や裏方のスタッフなど、多くの人たちから「錦兄ィ」(きんにい)「錦ちゃん」と慕われ、親しまれた。また、家では非常に子煩悩な性格だった。
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