序章 神々の結合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/26 17:02 UTC 版)
昭吾の母親はふしだらな女で、幾度となく男を代えて複数の男と関係しており、誰が昭吾の父親かすらも分からない有り様であった。母親にとって昭吾は、新しい男を作る上で障害となる「いらない子」であった。 ある日、昭吾が衝動的にテレビを壊した直後、母親が「パパ」の一人と肉体関係を結んでいるのを見てしまう。激昂した母親は昭吾に虐待を加える。「なぜ自分を生んだのか」と泣きながら尋ねる昭吾に、母親は「男と女が交わると勝手に生まれてしまうから仕方が無かった」と答える。この体験が深いトラウマとなった昭吾は「愛」というものを憎むようになる。人間や動物が互いに愛し合い、あるいは交尾するのを見て、昭吾は憎悪を掻き立てられる。 ある日、鳥のオスが愛するメスを命懸けで蛇から守る所を見た昭吾は、愛に対する憎しみを掻き立てられて鳥達を殺してしまう。それ以後、昭吾の悪行は次第にエスカレートし、愛し合う動物を見ては殺してまわる。そしてある日、その悪行を咎められて警察に逮捕させる。 物語は警察に捕まった昭吾が、精神病院へと護送される。医師によって催眠術や電気ショック治療が開始され、昭吾は治療の合間にまどろむうちに夢を見る。夢の中で昭吾は女神像に話しかけられる。女神像は昭吾に「愛を呪った罰を受けなければならない」と告げる。その罰とは「女性を愛するが、結ばれる前に自分か相手が死んでしまう」という悲劇的な運命を永遠に体験し続けるというものだった。その罰は、夢の中で現れる。
※この「序章 神々の結合」の解説は、「アポロの歌」の解説の一部です。
「序章 神々の結合」を含む「アポロの歌」の記事については、「アポロの歌」の概要を参照ください。
- 序章 神々の結合のページへのリンク