崩壊過程
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/04 14:17 UTC 版)
地表の侵食(溶食)が進んで洞窟の天井をなす岩層が薄くなったり、空洞が極度に大きく成長した場合などには、洞窟は崩壊を始める。また、地下水面下で発達中の地下川洞窟系が、何らかの原因(地下水の汲み上げや鉱山開発による排水など)による地下水位の急激な低下によって浮力による支持を失い、大きく陥没することがある。 地下川系をなす空洞の天井の一部が崩落し、陥没ドリーネが生じると、地上から底を流れる地下水が見えることがある。これをカルストの窓(天然井戸、地下水流の窓とも)という(代表例: 鹿児島県沖永良部島の水蓮洞や田皆暗川、ユカタン半島のセノーテなど)。 洞窟内の局地的な天井や壁の崩落は、地表侵食の進行度とは関係なくよく見られる現象である(代表例: 山口県秋芳洞の千畳敷)。 洞窟系全体にわたって崩壊が進んだり、盲谷とポケット谷の連結に際して、一部が橋のように残ることがある。これを天然橋と呼び、カルスト地帯に多い(代表例: 広島県帝釈峡の唐門や雄橋、岡山県阿哲台の羅生門など)が、天然橋は石灰岩地以外にも海食作用や風食作用によって多く生じている。
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