島の制度
【英】: regime of islands
地学で用いられる「島」は通常、水に囲まれた陸地で大陸より小さなものをいうが、小島や岩礁などの区別を明らかにした定義はない。大陸で最も小さいオーストラリアの面積は 7,687 × 103km2 、島で最も大きいグリーンランドの面積は 2,176 × 103km2 弱である。海図や一般の地図を見ると多くの島名や岩名があり、なかには高潮面上に露出しない低潮高地や暗岩に島または岩の固有名を与えているものもある。領海条約では島を、自然に形成された陸地であって、水に囲まれ、高潮時においても水面上にあるものと定義した。国連海洋法条約でも同様に定義されたが、ここでは(第 121 条 3 項)さらに、人間の居住または独自の経済的生活を維持することのできない岩(rock)は、排他的経済水域または大陸棚を有しない、と規定し、領海、接続水域、排他的経済水域および大陸棚のすべてを持ち得る通常の島から岩を区別した。ここに注意を要するのは、岩と低潮高地との関係である。本土または島から領海の幅を超えない距離にある低潮高地は、領海基線あるいは群島基線を引く際利用し得る。それゆえ、高潮時でも水面上に露出する岩が領海幅のなかに入っているとき、直線基線または群島基線を引くのに利用し得ると思われ、したがって国連海洋法条約第121条3項にもかかわらず、この場合は岩も排他的経済水域と大陸棚を持ち得るのではないかと考えられる。もちろん本土または島の領海幅より外側に位置する岩は領海しか持つことができない。(→低潮線、領海基線、排他的経済水域、大陸棚) |

島の制度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/17 06:04 UTC 版)
「海洋法に関する国際連合条約」の記事における「島の制度」の解説
第8部(第121条)は「島の制度」である。水に囲まれていて高潮時にも水面上にある自然に形成された陸地を島と定義する(第121条第1項)。島にも独自に領海、接続水域、排他的経済水域、大陸棚が認められることとされた(第121条第2項)ため、何をもって島とするのか、その定義を厳格かつ詳細に定めることを求める主張が強まった。本条約では人工島は島としての地位を有さないとし(第60条第8項)、「人間の居住又は独自の経済的生活を維持することのできない岩」に対しては、「岩」独自の排他的経済水域や大陸棚を認めないとした(第121条第3項)。
※この「島の制度」の解説は、「海洋法に関する国際連合条約」の解説の一部です。
「島の制度」を含む「海洋法に関する国際連合条約」の記事については、「海洋法に関する国際連合条約」の概要を参照ください。
- 島の制度のページへのリンク