尾生之信
別表記:尾生の信
「尾生之信(びせいのしん)」とは、約束を信じて頑なに守り抜こうとするさま、いったん約束したことは決して違えようとしない決意の強さ、あるいは、いかなる事情があったも約束した内容を変えようとしない融通の利かなさや馬鹿正直さを意味する言葉である。
「尾生之信」は、「荘子」や「史記」といったいくつかの中国古典で紹介されている伝説に由来する。「尾生」は人の名である。尾生は橋の下で女と会う約束をしたが、女は現れず、そうこうするうちに川が増水してゆき、尾生は約束を守ろうとして橋の下に留まり、ついに溺れ死んでしまった、という話である。
芥川龍之介はこの物語を超短編「尾生の信」として文章化している。
「尾生之信」は、「一度約束したことはあくまでも守る」という信念の強さ・決意の堅さの象徴として捉えられることもあれば、何があっても当初約束した内容を少しでも変えようとしない(それによって遂には身を滅ぼす)愚かさの象徴として扱われることもある。
びせい‐の‐しん【尾生の信】
尾生の信
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