小笠原流のお辞儀の仕方
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 16:07 UTC 版)
小笠原流のお辞儀の仕方は、幕府高家として将軍家から大名、旗本に至る殿中における礼儀作法を司ってきた小笠原流弓馬術礼法と、小倉の大名家に伝わる小笠原流礼法の二派があり、今日まで続いている。しかしながら、明治維新を境に西洋文化の流入と武家文化の軽視が急激に進み、新政府の担い手の多くが上流武家文化に無知であったこともあり、礼法はヨーロッパのような紳士の嗜みではなく、もっぱら女子教育の一環へと存在意義が移っていった。 「座礼」には九品礼と言って、目礼、首礼、指建礼、爪甲礼、折手礼、拓手礼、双手礼、合手礼、合掌礼の九種類があり、高い身分の者だけが許される目礼と首礼、および礼拝にしか用いない合掌礼を除き、膝を中心とする手と指の形及び位置と上半身の折り方で丁寧の度合いを示す方法は、明治以降、日常生活では次第に簡素化され、やがて廃れていった。 一方、「立礼」は、後述する近年ビジネス・スクールやマナー教室で教えているお辞儀と違い、所作に男女の差はない。足を平行にして立ち、手先をまっすぐ伸ばしてそろえ、自然に手が定まる位置を出発点として、静かに腿の上を膝がしらに向けて滑らせる。首だけを丸め込まず、首と背中がまっすぐなまま尻を後ろに突き出す要領で上体を前に倒すと美しいフォームになる。この伝統的な「立礼」は和服でも洋服でも何ら問題なく行えるお辞儀である。大事な点は、立ち止まってからお辞儀をすることと、深いお辞儀をする場合は、荷物はかたわらに置くか、そばの人に預けて、両手を空にして行うことである。
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