小田ひで次とは? わかりやすく解説

小田ひで次

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/06 03:44 UTC 版)

おだ ひでじ
小田 ひで次
生誕 1962年????[1]
日本岩手県八幡平市
職業 漫画家
活動期間 1991年 -
代表作拡散』『ミヨリの森』など
受賞 1991年アフタヌーン四季賞(冬・佳作)
公式サイト 小田ひで次オフィシャルサイト
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小田 ひで次(おだ ひでじ、1962年[1] - )は、日本漫画家岩手県八幡平市出身[2]。ストイックで美しいファンタジーの名手と評価され、世界人間のかかわりを追求する姿勢をもつ [3]

宇都宮文星短期大学地域総合文化学科特任教授[4]

経歴

1991年『魚』でアフタヌーン四季賞を受賞後、1992年『拡散』でデビュー[5][1]

2000年に発表された『クーの世界』は前作『拡散』の鋭いタッチの線画から柔らかな絵柄へと作風が変わっており、さらに「続き夢の旅」「不思議な生き物たちの登場(イッポ、モノキビルなど)」といったファンタジー要素を採り入れ、より読者を意識した作品になっている。

2003年4月からミステリーボニータで連載された『ミヨリの森』では「ボクリコ」「ネゴ爺」など数多くの精霊が登場しており、前作『クーの世界』に観られたファンタジー要素は継承しつつ「身寄りのない少女の歪んだ心が、自然の中で再生されていく」といった、これまでの作品に観られた哲学的・観念的世界から写実的な人間描写へと変わっている。作品のアイディアは当時親交のあった編集者からの「森を舞台にした作品を描きませんか?」という提案、そして風景の生命(いのち)を守る地域づくりネットワークとの出会いから生まれた。『ミヨリの森』は小田初の月刊連載となった。また青春アドベンチャーラジオドラマ化、美術監督山本二三によってアニメ化もされるなど、多くのメディアミックスへと拡散して行った。

2005年10月には『クーの世界』の続編となる『夢の空地』を発表、世界6ヶ国にて同時刊行された。『クーの世界』で描かれたファンタジー要素は抑えられており、作中では『拡散』に観られたような観念的、哲学的、普遍的テーマが展開されている。更には『拡散』に登場した羽の生えたキャラクターが再登場するなど、『拡散』と『クーの世界』のクロスオーバー的な作品となっている。

同年11月からはウェブマガジンMiChao!にて『平成マンガ家実存物語 おはようひで次くん!』を連載、2010年に単行本化された。虚実を織り交ぜた不思議なエッセイマンガとなっており[3]、『クーの世界』執筆後〜『ミヨリの森』アニメ化までの作者の生活や苦悩、小田の原点などを窺い知ることができる。その後は絵本テイストの作品『手乗りマンモスのモウちゃん』、読み切り作品をまとめた同人誌『御遊戯』などを発表。2011年からは漫画を通して岩手県の魅力を発信する「いわてマンガプロジェクト」の一環である「コミックいわて」に参加。

また、2015年には日本発のプログレッシブ・ロックバンドである「Yuka & Chronoship」3rdアルバム『The 3rd Planetary Chronicles(第三惑星年代記)』のブックレットデザイン、2018年には同バンド4thアルバム『SHIP』のブックレットデザインを手がける。

2023年1月30日現在、ウェブコミック配信サイト『コミックいわてWEB』にて「丘の上のアギョンとウンギョ」を連載中。

作品

単行本

読み切り

  • 魚(アフタヌーン四季賞/第20回, 冬のコンテスト・佳作、1991年)→『拡散 新装版(下)』に収録
  • 訪問(アフタヌーン四季賞/第22回, 夏のコンテスト・佳作、1992年) 『拡散 新装版(下)』に収録
  • 大合作(アフタヌーン - 作画参加、1996年)
  • 大合作2(アフタヌーン - 作画参加、2000年)
  • きんぴら(アフタヌーン-2002年)

ネット連載

  • 平成マンガ家実存物語 おはようひで次くん!(講談社MiChao!
  • 丘の上のアギョンとウンギョ 第1話〜第3話(コミックいわてWEB)

アンソロジー/オムニバス

  • コミック☆星新一 午後の恐竜 - 参加。
    • 夜の事件、箱 (2003年6月、秋田書店/文庫版「コミック星新一 ショートショート招待席 」2008年10月)
  • コミックいわて - 参加。
  • 東日本ふるさと物語 - 参加。
  • コミックいわてっち - 参加。
  • コミックいわてぃー - 参加。
    • アギョンとウンギョ(2016年) (コミックいわてWEB)
  • コミックいわて.ログ - 参加。
    • 丘の上のアギョンとウンギョ 第1話(2017年) (コミックいわてWEB)

その他

  • サイカチ物語 -序章- (NPO法人風景の生命(いのち)を守る地域づくりネットワークWeb、2001年)
  • 小田ひで次個人誌版 御遊戯(タコシェオンラインショップ、2011年)
    • 『世界の外で』シリーズ5作品
    • 『おはようひで次くん!特別編』「ギャラリー&カフェひで次館」
  • 小田ひで次個人誌版 御遊戯2(タコシェオンラインショップ、2012年)
    • 「世界の外で oyugi-Ⅸ」
    • 『おはようひで次くん!特別編』「ひで次くんの妄想と諦念」
    • 「OL魔女 山ノ内邦子 パイロット版」
    • 「世界の外で oyugi-extra story」
  • 小田ひで次個人誌版 御遊戯3(タコシェオンラインショップ、2013年)
    • 「世界の外で oyugi-XIII」
    • 「二十面相の娘 200X」
    • 「でじちゃんからのFAX その1」
    • 「ひで次くん山へ!」
    • 「ひで次くんの箱舟」
    • 「でじちゃんからのFAX その2」
    • 「ひで次くんの小商い」
    • 「世界の外で oyugi extra story」
  • アギョンとウンギョLINEスタンプ
  • はだかまいり
  • 丘の上のアギョンとウギョン

脚注

  1. ^ a b c 小田ひで次 ODA HIDEJI official site - profile
  2. ^ 「縄文街道楽しむマップ 北東北の史跡や自然紹介 八幡平のNPO /岩手県」『朝日新聞』2006年7月29日、朝刊、岩手全県、地方。
  3. ^ a b おはよう ひで次くん!1 [作小田ひで次 - 南信長 - コミック | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト]”. web.archive.org (2016年3月4日). 2023年1月30日閲覧。
  4. ^ 宇都宮文星短期大学 » 教員情報”. www.bunsei.ac.jp. 2023年1月30日閲覧。
  5. ^ 小田ひで次 ODA HIDEJI official site - news

外部リンク


小田ひで次

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/06 21:49 UTC 版)

黒田硫黄」の記事における「小田ひで次」の解説

四季賞出身漫画家黒田アシスタントをしていたことがあり、『ユリイカ特集号にアシスタント体験マンガ寄稿した小田の方が年長だが『四季賞クロニクル付属ブックレットでは黒田デビュー作酷評されたことが書かれている

※この「小田ひで次」の解説は、「黒田硫黄」の解説の一部です。
「小田ひで次」を含む「黒田硫黄」の記事については、「黒田硫黄」の概要を参照ください。

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