小国紙
名称: | 小国紙 |
ふりがな: | おぐにがみ |
芸能工芸区分: | 工芸技術 |
種別: | 手漉和紙(てすきわし) |
選択年月日: | 1973.03.27(昭和48.03.27) |
選択要件: | |
備考: | |
解説文: | 小国紙【おぐにがみ】は、新潟県刈羽郡小国町山野田【やまのだ】の雪ぶかい山間僻地で冬期間に漉【す】かれる強靭な伝統的な楮紙【こうぞがみ】である。 部落に残されていた記録によれば、天和二年(一六八二)、山野田部落において二十戸の農家が冬期間製紙していたといわれが、それ以前の事情は不明である。山野田部落の手漉紙の全盛期は江戸末期から明治時代までで、当時は障子紙・保存用記帖・袋紙・傘紙等であった。 小国紙は、地元産楮の栽培、伐採以下の原料処理、製紙工程等を紙漉職人が一貫して行なっている。特に入念ななぜ皮作業、手打ちによる叩解【こうかい】、古式の小型の三枚の簀【す】を交互に用いる流漉【ながしす】き、漉き上げた湿紙な雪中に埋め、積雪の重さを利用して圧搾し、長期間保存する「かんぐれ」と称する工程、干板による天日乾燥等の全国でも稀れな古格のある伝統的製法がよく保存され、手漉和紙の強靭性と美しさがよく発揮されている。 |
小国和紙
(小国紙 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/12/15 03:30 UTC 版)
小国和紙(おぐにわし)は、新潟県長岡市小国地域(旧刈羽郡小国町)で伝統的に生産されている和紙。農耕地域である小国地域では、積雪があり農業の行えない冬季の収入源としての目的を持ち、農業の副業として営まれてきた。
小国和紙は雪を使用するのが最大の特徴である。まず漂白の工程では雪による漂白力を利用し、乾燥までの工程では春まで雪の下に埋めておき、雪の重さで水分を減らし、春に近づいた頃に日光で乾燥させる。雪に埋める工程を「かんぐれ」と呼び、各家で作られていた頃は家族総出で行う大規模なものであった。
小国和紙は江戸時代かそれ以前から製造されており、明治時代の初頭には最盛期を迎え毎年800万枚以上が生産されたものの、産業の近代化に押され、以降減少の一途を辿る。1973年には日本の無形文化財に指定され、翌年の1974年には新潟県の無形文化財に指定された。2006年時点では小国和紙は2つの工房でのみ生産されている。
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