家計簿の歴史
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/03 13:48 UTC 版)
家計や家政については、古くはアリストテレスの『政治学』、クセノポンの『家政論』、そしてアリストテレス名義の偽書『経済学』などの文献がある。古代ローマの家長は、国家に家計簿を義務づけられており、財政政策の一部でもあった。当時の家政は家父長制を前提としたものであり、例えば『家政論』では夫は戸外の政治と農場管理、妻は家庭内という分担が理想とされていた。 個人的な内容や家庭のために記帳する家計簿も現れ、中世のイタリア商人は、商売の帳簿とは別に個人的な家計簿をつけた。思想の一環として家計簿が使われる場合もあり、アメリカの作家・思想家ヘンリー・デイヴィッド・ソローは森で暮らしながら家計簿をつけて、生きるために最低限必要なものを見極めようとした。 アメリカで公認会計士第1号となったチャールズ・ワルド・ハスキンズ(英語版)は職業教育や家計の重要性を説き、家庭に会計学を活かすために家計の本を出版した。日本においては、1908年に羽仁もと子が刊行した家計簿が現在まで続いている点で最も長い。羽仁は家計について、労力と財力が調和を保って発展するようにつとめるという目標を掲げた。刊行当時から現在まで同内容を保っており、当初は主婦1人による記帳を想定していたが、家計簿は家庭全員が参加するものという構想に変わっていった。
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