定着と拡散
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/31 06:05 UTC 版)
現代に繋がる文庫出版という出版の一形式を日本に定着させたのは岩波文庫である。岩波文庫成功以降、新潮文庫、改造文庫、現代教養文庫など多くの文庫が出版社から立ち上げられたが、いずれも世界の古典的名著を安価に提供することを目的としている。なお新潮文庫は岩波文庫に先んじて創刊されたのであるが、岩波創刊時は廃刊になっていた、そのために岩波以後再刊されたものを第二次新潮文庫と呼ぶ。戦後に春陽堂文庫、新潮文庫が復刊し、角川文庫、国民文庫などが創刊され、第2次文庫ブームがおきた。1970年代になると大手出版社も文庫に参入し、講談社文庫、中公文庫、文春文庫、集英社文庫、ハヤカワ文庫など、現在も刊行が続く文庫が生まれた(第3次)。1980年代には文庫は多様化をたどり、光文社文庫、河出文庫、ちくま文庫などの一方で、PHP文庫、知的生きかた文庫、ワニ文庫など実用的な内容の濃い文庫が出るようになった(第4次)。大手出版社も文庫を細分化し、講談社学術文庫や、角川ソフィア文庫などが出た。平成期になると、幻冬舎文庫、ハルキ文庫などが創刊され、多数の出版社から多様な種類の文庫が現れた(第5次)。
※この「定着と拡散」の解説は、「文庫本」の解説の一部です。
「定着と拡散」を含む「文庫本」の記事については、「文庫本」の概要を参照ください。
- 定着と拡散のページへのリンク