宗教絵画と肖像画
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/09/20 01:14 UTC 版)
「ディルク・ボウツ」の記事における「宗教絵画と肖像画」の解説
ボウツの作品と考えられている作品の多くは小さなパネルに描かれた宗教絵画で、主に描かれているのは聖母マリアと幼児イエスを描いた聖母子像である。この主題で描かれた初期の作品として、ニューヨークのメトロポリタン美術館所蔵の『ディヴィスの聖母 (Davis Madonna)』がある。この作品の精巧な模写がフィレンツェのバルジェロ美術館とサンフランシスコ美術館に存在する。この構図は1454年にフランスのカンブレー大聖堂に設置された美しい『慈愛の聖母 (Notre-Dame-des-Grâces)』の原型となった。ロンドン・ナショナル・ギャラリー所蔵の『聖母子像 (Salting Madonna)』は聖母マリアを描いた一連の作品の中でもっとも大きく、大掛かりな作品となっている。 肖像画の分野では、ロベルト・カンピン、ヤン・ファン・エイク、ロヒール・ファン・デル・ウェイデン、ペトルス・クリストゥスらが確立した手法をさらに発展させている。ロンドン・ナショナル・ギャラリーの、1462年の日付がある『男性の肖像 (Portrait of a Man)』は背景の窓越しに風景が垣間見えるように描かれ、モデルが斜めに表現された最初の作品である。また、ボウツの作品であろうと広く認められているメトロポリタン美術館所蔵の『男性の肖像』は後の『皇帝オットーの裁判』に描かれた人物像に似ている。その他にワシントン・ナショナル・ギャラリーやアントワープ王立美術館などに肖像画が所蔵されているが、本当にボウツの作品かどうかははっきりしていない。
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